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百貨店化粧品売り場の春節期間の商況 売れ筋は「クレ・ド・ポー ボーテ」「エレガンス」

中国では訪日団体旅行の解禁以降、実質約4年ぶりに行動制限がない春節連休(旧正月)が終わり、国内百貨店の化粧品売り場でも中国人含む訪日客が散見された。各社の化粧品売り場では、最盛期の「爆買い」する姿は影を潜め、店頭体験を重視する買い方に様変わりしている。そこで、訪日客の客足が伸びている三越銀座店と西武池袋本店の化粧品売り場に春節期間(2月10〜17日)の商況を聞いた。

銀座三越店は春節に合わせ
店頭オペレーションを強化

銀座三越店化粧品売り場の商況は、前年の春節期間(1月30日〜2月5日)と比較すると92%増、19年の2月3〜10日と比較すると27%減だった。春節連休に合わせて、中国版インスタグラムRED(小紅書)でインフルエンサーによる旅行前の情報発信を強め話題化を狙った。店頭では、多言語スタッフの増員や、エアウェイトや日本人上位顧客に向けた来店予約などオペレーションを強化した。

売れ筋の「クレ・ド・ポー ボーテ(CLE DE PEAU BEAUTE)」は、ベースメイクやスキンケアが活発に動き、売り上げは前年同期比150%増だった。中でも化粧下地“ヴォワールコレクチュールn“は根強い人気を誇る。「シャネル(CHANEL)」の売上高は同75%増で、スキンケアと化粧下地の“ル ブラン ラ バーズ レジェール“が人気を集めた。

春節に合わせてポップアップイベントを実施した「エレガンス(ELEGANCE)」の売上高は同500%増と大幅に伸長した。訪日客から人気のフェイスパウダー“ラ プードル オートニュアンス“を打ち出した施策が寄与した。

訪日客の購買行動にも変化が見られた。松原麻美 銀座三越 第三営業部 化粧品 バイヤーは「コロナ禍以前のような爆買いは見られず、自分自身が欲しいアイテムや家族から頼まれたアイテムなどを購入する傾向が強い。タッチアップやカウンセリングを希望するお客さまも多く、百貨店での化粧品購買の体験価値を求めるお客さまが目立った」と話す。

西武池袋本店の春節期間の商況は
コロナ禍前を上回る

西武池袋本店化粧品売り場の商況は同30%増、コロナ禍前の19年比は20%増だった。売り場では春節に合わせ、ポップに中国語を入れて商品を訴求。中国版SNSでは春節向けの記事発信を強化した。

春節前後では「ヘレナ ルビンスタイン(HELENA RUBINSTEIN)」と「ラ・メール(LA MER)」が高い伸びを見せた。黒川香利 池袋西武 リーシング本部リーシング一部 コスメ担当は「2つとも中国でも人気の高いプレステージブランド。若い年齢からエイジングをするためか高級クリームの購入が増加した」と述べる。

全体の売れ筋は「ディオール(DIOR)」。スティック型のフレグランス“ミニ ミス“や部分用美容液“カプチュール トータル ヒアルショット“がヒットし、売り上げは同25%増と好調に推移した。「シャネル(CHANEL)」は同8%増で、ハンドクリーム“チャンス クレーム マン“などが人気を集めるほか、ギフト需要を取り込んでいる。「クレ・ド・ポー ボーテ」は、同98%増と好調に推移。化粧下地とクッションファンデーションがともに好調を維持。特に化粧下地“ヴォワールイドラタンロングトゥニュ“は、SNSなどでも多数取り上げられ人気を集めている。

今年の春節連休は、「ツアーではない個人旅行者が多く、中でも友人同士など4~5人での移動が多い印象を受けた。以前は写真や動画を撮る人が多かったが、ここ最近は購入品を事前に決めてから来店されるお客さまが多い」(黒川氏)という。

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