ファッション

「6397」がNYでファッションショーとファンドレイジングを開催 アウトサイダー・アーティストを支援

サカイ(SACAI)」や「アレキサンダーワン(ALEXANDERWANG)」を輩出してきたニューヨークの老舗ショールーム、ザ・ニュース(The NEWS)が手掛けるウィメンズブランド「6397」は11月2日、カリフォルニア州オークランドを拠点とするNPO団体クリエイティブ・グロウス(Creative Growth)への寄付を目的としたブランド初のファッションショーをソーホーのショールームで開催した。

クリエイティブ・グロウスは、知的・身体的障害を持つアーティストの表現活動を支援する米国最古のアートセンターで、以前から親交があったザ・ニュースの石井ステラ創業者が同団体への活動資金調達を目的に今回のファッションショーを企画。前シーズンのジャケットやジーンズ、ジャンプスーツ、Tシャツ、ワンピースなどの在庫を無償で提供し、同団体所属のアーティストらがペイントや刺繍でリメイクを施した全39ルックをランウェー形式で披露した。全ルックはショー終了後に販売し、売り上げをクリエイティブ・グロウスに寄付した。

「ファッションセールスを生業にしている私たちにできることは、洋服を通じて彼らの作品を売ること。私たちの服をキャンバスにしてもらい、彼らに自由に楽しんで創作してもらう。そうやってアウトサイダー・アート(障害を持つ人や美術教育を受けていない人による既存の枠に捉われない表現方法)の認知を広めるためのサポートをしていきたい」と石井創業者。モデルには自社の社員や友人、子供など、多種多様なバックグラウンドを持つ身近な人々をキャスティングし、「多様性に満ちたニューヨークのリアルな空気感を表現した」という。司会進行は作家兼メディアパーソナリティとして活躍するミッキー・ボードマン(Micky Boardman)が務めた。

ランウェー終了後には、ニューヨーク近代美術館(MOMA)にも作品が収蔵されている著名な所属アーティスト、ダン・ミラー(Dan Miller)がリメイクしたブルーのアノラックパーカーが即席のオークションにかけられ、1200ドル(約17万8000円)で落札されると来場者から大きな歓声が上がった。会場には、米「ヴォーグ(VOGUE)」のファッションエディター、リン・イエーガー(Lynn Yaeger)や「ペーパーマガジン(PAPER MAGAZINE)」のキム・ハストライター(Kim Hastreiter)創始者ら多くの業界人やアート関係者の姿もあり、150人以上の来場者で賑わった。

クリエイティブ・グロウスのトム・ディ・マリア(Tom Di Maria)ディレクターは、「アートとファッションを融合させることは現代的かつエキサイティングなアプローチであり、アートをより面白くする。こうした取り組みによって障害を持つアーティストが過小評価されることなく、彼らの創造性を発揮できる場を広げていくことに意義があると思う」とコメント。同団体は来年設立50周年を迎え、現在サンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)で大規模な展示会を開催中。また日本の東京、大阪、奈良を含む世界40カ所で、アウトサイダー・アーティストに特化した団体やギャラリーの立ち上げの支援にも携わっている。

同ファッションショーで披露されたアイテムは、「6397」の公式サイトでも期間限定で販売を行う。

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