ビューティ

「睡眠前」美容に注目度高まる バスソルトやリップマスク、機能性表示食品のトマトも

 「睡眠前」の美容を切り口に、ルーティンで使用を提案するビューティアイテムが増えている。「アットコスメ(@COSME)」の分析によると、「2022年の1年間に寄せられた口コミの中で『睡眠中』というキーワードは、前年対比の4.7倍(23年1月末時点の集計)と増加傾向だ」(原田彩子「アットコスメ」リサーチプランナー)と明かす。そこで、「睡眠前の美容」を提案するブランドの商況をリサーチした。

コスメキッチンは「睡眠前の美容」関連アイテムが好調

 コスメキッチンは、睡眠前の美容習慣を提案するアイテムの稼働が良いという。武井里奈コスメキッチンプレスアシスタントは、「中でも『イウミー(EUME)』の“クォーツバスソルト トライアル”(全3種、税込各980円)が人気だ。3種の中でもクリスタルが人気で、1月の売り上げは22年12月比で110%増となった。『とにかく体があたたまる』『温泉気分に』といった口コミが多数あることから、リラックス効果や安眠を期待しているのではないか。うち、98%が女性で、年齢は30~34歳が28%と最多、次いで35~39歳が多く客単価は9578円だった。コスメキッチンの平均単価は6500~7000円なので、比較的美容にお金をかけるお客さまが購入している」と明かす。

 好調なアイテムは他にも。「『アンティポディース(ANTIPODES)』“カルチャープロバイオティクス ナイト ウォータークリーム”(60mL、税込6820円)は、某ヘアメイクアップアーティストのSNSのライブ配信で注目され、人気に火が付いた。ライブ配信を実施した月は、購入ユーザーの約50%が新規顧客だ。また、同商品は、2~3回以上購入経験のあるリピーターが80%を占める。他にも、『クッカ(KUKKA)』は、漢方医師が調香したオーガニック精油のピローミストで、眠りの悩み別に開発されている点も新しい。2023年1月25日の発売だが、数日で、ローズウッド、シダーウッドなどがブレンドされた“#5(税込4980円)”が人気を集めている。5000円前後という高単価にも関わらず、稼働が良い。また、『ファミュ(FEMMUE)』“リップスリーピングマスク”(15g、税込2970円)は、22年11月から毎月の売り上げが2ケタ増と好調に推移し、直近の3か月で500個の売り上げを記録した。個人的には、『コスキチ(COSKICHI)』“薬用オーガニック認証バスエッセンス カモミール”(300mL、税込1980円)が、就寝前のリラックスにオススメだ」。

睡眠中にリップも角質ケア&保湿を抜かりなく

 世界34か国に進出する韓国発「ラネージュ(LANEIGE)」のアイコン的存在“リップスリーピングマスク”(20g、税込2365円)は、寝ている間のリップトリートメントを提案する。簡単に角質ケアや保湿ができ、幅広いフレイバーが人気を集めている。中村秀誠アモーレパシフィック ジャパン ラネージュチーム ブランドマネージャーは、「具体的には明かせないが、当初の売上計画から数十%増で推移している」と話す。フレイバーについては「グローバルでみるとベリーが人気だが、日本ではグレープフルーツがエイジレスに支持されている。唇は保護膜が非常に薄く、皮脂腺がないため、乾燥やひび割れが表れやすい。一説には頬よりも唇の方が、保湿レベルがダウンすると言われている。マスクを外す機会が増えれば、いちばん注目を集めるのは口元だ。睡眠中にしっかりとケアし、リップメイクの映える唇を目指してほしい」。

20〜30代の女性に支持されるバスソルト

 20〜30代の働く女性を中心に支持されているバスソルト“睡眠美容® 安眠ちゃん”を販売する石澤研究所は、開発経緯について「肌のゴールデンタイムと言われている22時~2時の間に、寝ている若者が少ないのではないか?という疑問から、短い時間でも質の良い睡眠を取ってほしいと思ったのがきっかけだ」(広報担当者)という。「19年10月に発売した“睡眠美容® 安眠ちゃん ラベンダーの香り”(50g、税込198円)が好評だったため、20年10月に“ミルクの香り”(50g、税込198円)を追加した。お風呂の時間にシャワーで済ませるのではなく、入浴をすることで体を温め、ラベンダーの香りで気持ちを落ち着かせてほしい」と話す。

ベストコスメ16冠受賞
お休み前のビューティドリンク

 花王は、「エスト(EST)」からGABAを配合した機能性表示食品“リキッドサプリメント+”(100mL×10本、税込5400円)を22年10月に発売した。GABAは、眠りの深さやスッキリとした目覚めの改善に役立つ機能と、肌の弾力を維持し、肌の健康を守るのを助ける機能が報告されている成分だ。機能性関与成分としてコーヒー豆由来クロロゲン酸類とともに配合している。

 吉安可那子 化粧品事業部門エストブランド担当は、「リモートワークが普及し、オンとオフの切り替えがしにくくなったことや、外出自粛を機に体を動かさなくなったこと、それに伴うストレスによって、睡眠悩みを感じられている人は増えているのではないかと考えた。『よく眠れた日の翌日は肌の調子が良い』という通説を解き明かすために、花王としても睡眠に着目した研究を進めていた」と開発背景を話す。

 メイン顧客は「40代以上で睡眠と肌にお悩みを抱えていらっしゃるお客さまが多い。百貨店の化粧品カウンターにいらっしゃる顧客は肌意識が非常に高いが、その中でも『睡眠の質が低下してきたことを感じている』『夜中に何度も起きるようになった』『なかなか寝付けない』といった悩みが多くあがっていた。売れ行きは好調で、ベストコスメにも16冠輝いた」と話す。

 最後に変わり種として、ealoが展開するトマトを使ったトータルビューティブランド「リコピュア(LYCOPURE)」が販売する生鮮トマト“ビーエイチトマト”(20粒、税込2160円)がある。日本で初めて生鮮トマトの機能性表示食品として、「睡眠の質(眠りの深さ、すっきりとした目覚め)の向上に役立つ」「肌の弾力を維持し肌の健康を守るのを助ける」と表示し取り扱っている。

 幅広い選択肢を使い分け、良質な睡眠に役立てたい。

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