ファッション

佐藤可士和が語るゴルフショップの見どころ 「キャロウェイ」旗艦店をデザイン

 キャロウェイゴルフは、大阪に旗艦店の心斎橋店を3月10日にオープンした。同社は2021年5月にキャロウェイアパレルと合併して以来、ゴルフ用品とアパレルの両方を取り扱うようになり、東京の旗艦店である青山店を22年6月に開いた。心斎橋店は青山店よりも規模が大きく、国内最大となる。店舗デザインは、クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏が担当した。キャロウェイアパレルと佐藤氏のコラボによるアパレルコレクションも心斎橋店と青山店で限定販売する。

 店内は「キャロウェイ」のブランドロゴである「V(シェブロン)マーク」を象徴的に生かしたシンプルでモダンな空間。天井から吊るされた大きなライティングシェブロンには、照明器具が組み込まれ、サイドにはデジタルのメッセージが表示される。ステンレスのプレゼンテーションステージや白木の椅子もシェブロン形になっているのが印象的だ。「ウッドとアイアンはゴルフクラブの素材でもあり、もともと相性がいい。それを白木にしたり、ステンレスで表現したりすることで現代的に再解釈した」と佐藤氏は説明する。

 佐藤氏はゴルフ業界での仕事は初めてで、ゴルフも初心者。その佐藤氏に店舗デザインを依頼した同社は「ECの時代にわざわざ店舗に来てもらうにはリアル店舗の存在価値が重要。空間の価値をもっと追求していくために佐藤さんにお願いした」(キャロウェイゴルフのディレクター中桐千加子氏)と話す。

 一般的なゴルフ用品専門店は、ギアを中心に商品を前面に訴求することが多いが、同店は新しいブランド体験の場として空間づくりを重視した。「記憶に残るかどうか、キャロウェイの店をどう印象付けるかがブランディングでは重要になる。ここではシェブロンマークをキーに、ゆったりした快適なスペースで商品選びができる店をモダンに表現することを考えた」(佐藤氏)。

 店内は入り口付近がオリジナルブランド「キャロウェイ」「キャロウェイ レッドレーベル」(店舗限定)を中心としたアパレルエリア、その隣にゴルフクラブのエリア、奥には最新のゴルフクラブを試せる2つの試打室を設けた。有料のフィッティングサービス「キャロウェイ クラブフィッティング」と「オデッセイパットラボ」では、専任のフィッティングスペシャリストがデータを計測して顧客の傾向を分析し、最適なスペックやパターをアドバイスする。

 心斎橋店のオープンと同時に発売したのが、佐藤氏とキャロウェイアパレルのコラボコレクションだ。ストレッチ素材のカーゴパンツや布帛のシャツ、ビッグサイズのパーカなど、通常のゴルフウェアにはないカジュアルなデザインが特長だ。プロが試合で着用できるように撥水性や通気性など機能と着心地を追求しながら、デザイン性も兼ね備えたウェアを展開する。カラーは、ゴルフクラブのニューモデル「パラダイム」と同じネイビーと黒の2色。グラフィックプリントには、店舗空間でも採用したキャロウェイゴルフの哲学「Demonstrably Superior & Pleasingly Different(明らかに優れていてその違いを楽しむことができるの意)」を取り入れた。

 コラボコレクションについて佐藤氏はこう語る。「コロナ禍を機に、知り合いのクリエーターたちも次々とゴルフを始めている。ただ、着たいウェアがないという声が多かった。若い人も含めてカジュアルにゴルフを楽しめるような新しいスタイルを提案し、これまでのゴルフウェアの常識を覆したい」

 同社の直営店では、これまで50代を中心としたコアなゴルファーが多かったが、新コンセプトの店舗空間とアパレルで若年層にもアピールしていきたい考えだ。

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