ファッション

衣食住を網羅するアルマーニの全貌を銀座タワーで体感 中高生の「ファッション育」Vol.6

 中高生のためのファッション育プロジェクト「フューチャー・ファッション・インスティテュート(FUTURE FASHION INSTITUTE、以下FFI)」は、「ファッション育」を通じて子どもたちの感性を磨き、未来の業界を担う人材やセンスを生かして働く子どもの育成を応援している。展示会への訪問や業界人へのお仕事インタビューなどを重ねるメンバーは、自らの体験をシェアして友人に刺激を提供。ポジティブなループを通して、子どもたちが「未来の自分」を思い描き、夢に一歩近づくことを願う。今回はアルマーニ / 銀座タワーを訪れ、ラグジュアリーブランドが提供するライフスタイルを体感した。FFIの大学生メンター、小穴睦子がリポートする。

 今回のFFiは銀座にあるアルマーニ / 銀座タワーを訪れ、「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」が提供するライフスタイルをビル全体を通じて体験した。アルマーニ / 銀座タワーは竹をモチーフに作られており、ところどころに竹を感じさせる装飾が施されていた。今回タワー内のメンズ、ウィメンズ、アクセサリー、ビューティ、ドルチ(スイーツ)、カーザ(インテリア)までを見学。全体を通して、ジョルジオ・アルマーニが日本に見出している美を表現し、衣・食・住という人間の根本に近い部分に寄り添っているように感じた。

 まずは11階の「アルマーニ / リストランテ」で軽食をいただきながら、アルマーニの歴史やブランドの理念、商品についてお話を伺った。プレスルームでは洋服を自由に試着する機会があり、参加した中高生はそれぞれのスタイルを形作った。プレスルームはメンズとウィメンズに分かれていたが、中高生にとってその区別はすでにないもの。今後、ファッションの概念も大きく変わっていくのかもしれない。

 今回のプレインターンシップで初めに問われたのは、「あなたにとってのファッションとは何か?」だった。歴史的にも文化的にも服は多様な使われ方をしており、そこに何を見出すのかは人の数だけ答えがあるだろう。この問いにこそジョルジオ・アルマーニ、そして「ジョルジオ アルマーニ」というブランドの在り方が表れている。「本当のファッションは、着る人のために役立つものであるべきだと信じている」というアルマーニの言葉は、服を通して女性の社会的な役割の変化にも影響を与えてきた。女性のための服というと「シャネル(CHANEL)」がすぐに思い浮かぶ。自由な女性のための服を提供し続けたガブリエル・シャネル(Gabrielle Chanel)は、女性の社会的な立ち位置にも変化をもたらしたとされている。しかし女性が女性のための服を提供することと、男性が女性のための服を提供することは、社会における意味が大きく異なったのではないだろうか?シャネルの生きた時代とアルマーニの生きた時代に違いがあったように、女性が自己をどう認識するかは時代とともに多様化している。そんな変化の中で、アルマーニは女性という枠組みにとらわれず、女性もパンツスタイルのスーツやジャケットスタイルを着られるようなデザインを手がけた。これは女性が自らを投影する新しいファッションの概念を作り出したとも捉えることができる。

 新型コロナウイルスが蔓延し始めた際にいち早く医療従事者のための服を製造したことや、ロシアによるウクライナ侵攻が起こった際にミラノ・ファッション・ウイークのランウエイを無音に切り替えて戦争反対の意思を表明したことなどについても知り、アルマーニはブランドとして社会的責任を担っていることを発信しているという印象を受けた。

 ラグジュアリーブランドを選択して身につけることは、顧客にとって一種の自己表現であると感じる。そのブランドの社会に対しての取り組み、企業理念、社会的な立ち位置に共感しているからラグジュアリーブランドを購入するという人は多く、ブランド自体の在り方が顧客にとっての自己表現につながっていると感じることが多い。アルマーニは、人間の生活の根本に向き合い、着る人のための服を作り続けることで、社会の変化と人々を結びつける存在であり続けているのだと感じた。

参加した学生のリポートから
 今回はアルマーニ / 銀座タワーで衣食住を通して「ジョルジオ アルマーニ」というブランドを体感してきました。私の中で「アルマーニ」といえば、イケてるおじさんが着ているスーツのブランドです。同じような印象を持たれている方は多いと思いますが、実はメンズスーツだけでなくウィメンズや化粧品、時計、菓子、家具なども販売しています。更に、アルマーニ / 銀座タワーには10階と11階にレストランとラウンジがあり、食事を楽しむことができます。内装は特別な空間であることと同時に、あたたかみや親みを感じることもでき、ずっとここにいたいと思えました。実際「アルマーニ」の洋服を自由に試着できる機会がありました。自分の目で見て、触れることで洋服の作りの良さと値段に納得することができました。(森脇貴志/高校3年)

 今回は様々なジャンルでブランドを展開してさらなる高みを目指す、「アルマーニ」というブランドについて、学びました。まず印象的だったのは、ロシアとウクライナの戦争が始まった時、どのブランドよりも早くファッションショーで音を流さず、戦争反対という異議を申し立てた話です。ブランドとして、直ちに行動を起こしているのがすごいと思いました。また、今回はアルマーニ / 銀座タワーを見学させてもらったのですが、本当に様々な種類のものを売っていて驚きました。ひとつのブランドがここまで多様なものを売っているのは、本当にすごいこと。常に、いろいろなことに挑戦して成功を収めてきた「アルマーニ」というブランドには、自分と重ね合わせて「真似したい」と思うところが沢山ありました。(kano/中学2年)

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