ファッション

多様性の促進を掲げる団体のファッション・アワード、LVMHと提携してヴァージルを称える賞を新設

 ファッション業界のダイバーシティ(多様性)の促進を掲げる団体ハーレム・ファッション・ロウ(Harlem’s Fashion Row)は、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)の北米事業とのパートナーシップにより、15周年を記念したファッションショー&スタイルアワードを開催した。

 ファッション業界における多様性や平等など、ダイバーシティ&インクルージョンを支援することを目的とした同イベントの今年のテーマは「Future's Past(未来の過去)」。ファッションの未来を紹介するイベントをプライベートな空間で行った。

 さらに今回のイベントでは、昨年11月21日に死去した「ルイ・ヴィトン」のメンズ・アーティスティック・ディレクターで、「オフ-ホワイト ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」の創設者でもある故ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)氏の功績を称える賞をLVMHの提供で新設した。プレゼンターは妻であるシャノン・アブロー(Shannon Abloh)が務めた。同賞は文化、コミュニティー、イノベーションへの貢献を通じて、ヴァージルの精神、輝き、ビジョンを体現する個人を表彰するものだという。

 第1回ヴァージル・アブロー賞には女優兼作家・プロデューサーのイッサ・レイ(Issa Rae)、デザイナー・オブ・ザ・イヤーは「セルジオ・ハドソン」を率いるセルジオ・ハドソン(Sergio Hudson)、エディター・オブ・ザ・イヤーは「ワシントン・ポスト(The Washington Post)」紙のシニア・クリティック・アット・ラージのロビン・ギヴハン(Robin Givhan)、スタイリスト・オブ・ザ・イヤーはセレブリティーのスタイリングなどを手がけるアデ・サミュエル(Ade Samuel)、アイコン・オブ・ザ・イヤーをジャネット・ジャクソン(Janet Jackson)がそれぞれ受賞した。

 ブランディス・ダニエル=ハーレム・ファッション・ロウ創設者兼最高経営責任者は、「アフリカ系アメリカ人はファッションの分野で豊かな歴史を持っているが、彼らの貢献の多くは歴史の中に埋もれてしまい、認識されずにきた。 しかし、ハーレム・ファッション研究所やブラック・ファッション・ミュージアムを創設したロイス・アレクサンダー・レイン(Lois Alexander Lane)のような黒人デザイナーの活躍なくしては、ハーレム・ファッション・ロウは存在し得なかっただろう。アン・ロウ(Anne Lowe)やエリザベス・ケックリー(Elizabeth Keckley)、ユニス・ジョンソン(Eunice Johnson)といったパイオニアたちの仕事も然り。私たちは、過去にさかのぼって理解し、敬意を表し、過去から力を引き出すことで未来に向かって進んでいる」と語った。

 LMVHは、ハーレム・ファッション・ロウとの継続的なパートナーシップを通じて、ファッション業界がより多様性に富み、公平で包括的になることを目指す取り組みを続けている。例えば、同社の傘下ブランドのいくつかは、今回のファッションショーとスタイルアワードをサポートすることで貢献している。化粧品小売店のセフォラ(SEPHORA)は、ファッションデザイナーのオーロラ・ジェームズ(Aurora James)が設立した「15%プレッジ(15 Percent Pledge)」プログラム(黒人が所有するブランドに陳列棚の15%のスペースを提供するという取り組み)に参加しているアフリカ系ブランドの製品を、ショーに参加するブランドに提供。また、「ディオール ビューティー(DIOR BEAUTY)」はスキンケア、メイクアップアーティストチームのスポンサーとなったほか、「ティファニー(TIFFANY & CO.)」はイベント中のスタイルアワード受賞者とデザイナーにギフトを贈呈。モエ ヘネシーの米国事業はカクテルタイムのドリンクを提供した。

 アニッシュ・メルワニ(Anish Melwani)北米LVMH会長兼CEOは、「当社は多様性、公平性、包括性というレンズを通して、グループとメゾンの未来を見据えている。15周年を迎えたハーレム・ファッション・ロウとパートナーを組み、ハーレムコミュニティーの文化の豊かさと創造性にスポットライトを当てられることに興奮している」と述べ、「LVMHの各メゾンの成功は、世界中のクリエイティブな才能を発掘する能力に由来している。ハーレム出身の才能あるBIPOC(Black, Indigenous, and People of Colorの略で、黒人、先住民および有色人種の総称)デザイナー3人のニューヨーク・ファッション・ウィークでのデビューを支援できてうれしく思う」と続けた。なお、これにより今回デビューしたのは、メンズブランドの「コッテ ダルム(COTTE D’ARMES)」、ウィメンズの「ジョナサン ヘイデン(JOHNATHAN HAYDEN)」と「ニコル ベネフィールド(NICOLE BENEFIELD)」だった。