ファッション

「なぜ、そのパーパスを掲げるのか?」を“問うてみる”ことが大事 辻愛沙子に聞くこれからのブランドビジネス

 生活者が抱える課題に対する企業からのメッセージやアプローチの発信・表現をサポートするarcaの辻愛沙子最高経営責任者(CEO)は、パーパスの重要性を「間違いない」としながらも、「パーパスを再定義することや掲げることが目的になっているケースも増えている」と分析する。「アクションすることよりも、掲げて発信することで満足してしまう」ケースも少なくない。「それでも言わないよりは言った方が良いし、やらないよりはやった方が良いけれど、『なぜ"自分"が、そのパーパスを掲げるのか?』を企業、ブランド、そして生活者一人ひとりが“問うてみる”ことがすごく大事。大前提として企業のコミュニケーションは社会に向けて届けるものだから、『自分たちのブランドは、こんな痛みを解決していくために、こんなことをするのだ』と、説明し、対話していくことが大事」と諭す。

 パーパスの表現において重要なのは、「主語は『私たち』」であることを理解することだ。「ただ企業に限らず個々人も含め、日本では自分に向き合う『内省』の習慣が圧倒的に足りない。市場に求められていることや正しそうなことではなく、『企業として"自分たち“のブランドは何の為に存在しているのか』を徹底的に内省し紐解いていった先にパーパスがある」という。「意志を持ち、アクションに繋げ、それをまた内省して、“問うてみて”、次に起こすべきアクションを考える」。ブランドや企業が自分たちの思う正解を一方的に提示するのではなく、「ブランドと社会の間で、そのサイクルを回すこと」が今後のビジネスには求められる。

 社会という対象は大きく、「向き合い続けるのは、時に疲れてしまうこと」。そして「“すべてのあらゆる人”に愛されることは、非常に難しい」。既存の事業は「内省する意味や価値に目を向ける余裕が持てず、求められている声に応えるため、走り続けなければいけないプレッシャーもあるだろう」が、それでも “問うてみる”ことが必要だ。「『前へ、前へ』ビジネスを進めるだけでなく、時には視野を横に広げたり、内省し自身を深ぼってみたりする。そんな想いがどこかに宿っているだけで、ブランドのアクションは少し変わるはず」。


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