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「ルイ・ヴィトン」の親会社幹部と環境開発ディレクターが記者会見 社内で環境問題ウイークを開催

 LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は7日、世界中の従業員に向けてサステナビリティについて教育する「クライメイト・ウイーク(Climate Week)」の開催に先立って、オンライン記者会見を行った。

 記者会見に登壇したのはLVMHのアントワン・アルノー(Antoine Arnault)=ヘッド・オブ・コミュニケーション&イメージと、エレーヌ・ヴァラド(Helene Valade)環境開発ディレクターだ。両者はパリで会見を開いて環境問題についての同グループの取り組みや「クライメイト・ウイーク」の概要を話し、記者からの書面による質問にも答えた。

 ヴァラド環境開発ディレクターは、フランスの水・廃棄物処理を行う会社であるスエズ(SUEZ)でサステナビリティの促進をけん引したのち、フランス環境エネルギー管理庁(ADEME)の取締役員を務めた。1月に現職に任命された。

 「クライメイト・ウイーク」は8日から4日間開催され、16万人の従業員を対象に企業のあり方やサステナビリティを意識した今後の方向性について教育を行う狙いだ。15年に気候変動抑制を目的とするパリ協定を定めたフランスのローラン・ファビウス(Laurent Fabius)元外相と、気候科学者のバレリー・マソン・デルモット(Valerie Masson-Delmotte)を招待して環境問題について語るという。

 アルノー(Antoine Arnault)=ヘッド・オブ・コミュニケーション&イメージは「私たちはすでに多くのことを行なっているが、業界のリーダーとして模範的であり続けながら教育も行い、透明性を保つ責任がある。このことを意識しながら今後数年間の新しいアプローチや環境戦略の開発に取り組んでいる」と語った。

 会見の中でヴァラド環境開発ディレクターは、2つの円が交差するスライドを示しながら、ラグジュアリーブランドとして推進していきたいサステナビリティのビジョンを語った。円の1つは伝統や芸術、ノウハウ、品質からなるラグジュアリーブランドにおける人材の技術を指し、もう1つは動植物や土、資源など自然を表している。ラグジュアリーはこの2つの間に存在すると説明した。また、「産業革命直後の20世紀初頭に台頭した芸術運動のアール・ヌーボーならぬ、“ラグジュ・ヌーボー”がわれわれの目指すところだ」と言い、当時のデザインのようにもっと自然なスタイルを取り戻すことが重要だと説いた。

 記者からデンマークでのミンクの大量殺処分を受けてLVMHはサプライチェーンを見直すかという質問を受けたヴァラド環境開発ディレクターは、毛皮はフィンランドから調達していると返答した。「LVMHは使用する材料を自由に選択できるが、調達に関しては特定の基準を満たす必要がある。動物が敬意を持って飼育されていることを保証する最も確かな方法はサプライチェーンを完全に保有することだ」と言い、同グループがワニ農場を複数所有していると述べた。

 続けて二次流通について聞かれた際には、LVMHが強く関心を持っている分野だと強調した。ヴァラド環境開発ディレクターは、「われわれが注意深く検討しているビジネスモデルだ。製品の使用期間や耐久性を伸ばす方法の1つなので、着実に取り入れていきたい」と語った。アルノー=ヘッド・オブ・コミュニケーション&イメージは、「この質問に完全に答えるにはまだ早い段階だ。確かに需要のあるビジネスモデルで、重要性が増しているので、慎重に考えている。数カ月のうちに答えられるだろう」と述べた。

 LVMHはグループの今後10年間の環境問題に対する目標である「ライフ 360(Life 360)」を、21年に発表する予定だ。アルノー=ヘッド・オブ・コミュニケーション&イメージはこの戦略は確実な科学的なアプローチに基づいていると述べ、生物多様性が活動をしていく上で重要となるという。他にも、循環型モデルの導入や透明性の向上、製品パッケージの改善にも取り組むと示した。目標には、30年までに再生エネルギーのみを使用するとのことや、23年までに店頭の照明をLED切り換えることなどが挙げられた。