ファッション

「マルニ」2016年春夏ミラノ・メンズ・コレクション

REPORT

クラシックとスポーツ、フォーマルとストリート、モードとコマーシャル……。真骨頂の折衷主義が炸裂

6年ぶりにミラノ・メンズ・コレクションでランウエイショーを開いた「マルニ」は、独自の折衷主義が炸裂。スタイルはもちろん、ビジネス戦略においても、バランスの良さが際立った。

コレクションは、あらゆるスタイルを貪欲に取り入れ、それを「マルニ」らしいキッチュなムードでまとめていく。例えばジャケットは、多数のポケットを取りつけただけでなくハリのある素材で成形し男っぽいが、直線的なシルエットだからこそ独特の落ち感が現れ、柔和なムードさえ感じさせる。そんなアウターと合わせたのは、細くて長い、シャープな襟が特徴のシャツ。アウターはどちらかと言えばクラシックで実用的。対するシャツは前衛的でモード。ここでも異なるテイストを一つに融合している。

アウターとインナーでさえさまざまなテイストを盛り込んでいるのだから、トップスとボトムスでも異なるスタイルを対比させるのは当然だ。スリムテーパードからリラックスストレートまでさまざまなバリエーションを用意したが、上半身とのコントラストが強いのは、少年性の高いハイウエストのリラックス・ストレート・ショーツやワイドテーパード。ユーティリティー(機能性)の高いメンズな上半身と、緊張感のないボーイズな下半身のアンバランスが面白い。

そして、バランスの良さはコマーシャルなアイテムとチャレンジングなアイテムのスタイリングにおいても現れた。上述したモードなシャツ、特に、そこにサイケなフラワープリントを加えたアイテムは、チャレンジング。しかしそこに、メランジュのニットやソックス、2015年春夏にヒットしたムース素材のスニーカーの進化系シューズを合わせることで、スタイルのコマーシャル性を高めている。カラーも秋冬かと思うくらい落ち着いており、手持ちのアイテムとのスタイリングも容易だ。

LOOK

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

原宿・新時代 ファッション&カルチャーをつなぐ人たち【WWDJAPAN BEAUTY付録:中価格帯コスメ攻略法】

「WWDJAPAN」4月22日号の特集は「原宿・新時代」です。ファッションの街・原宿が転換期を迎えています。訪日客が急回復し、裏通りまで人であふれるようになりました。新しい店舗も次々にオープンし、4月17日には神宮前交差点に大型商業施設「ハラカド」が開業しました。目まぐるしく更新され、世界への発信力を高める原宿。この街の担い手たちは、時代の変化をどう読み取り、何をしようとしているのか。この特集では…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。

メルマガ会員の登録が完了しました。