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カメラマンが打ち明ける 新型コロナの影響で “アジア人差別”が見られたミラノ・コレクション

 私にとってのミラノ・ファッション・ウイーク(以下、MFW)の最後の取材は、「ボス(BOSS)」のバックステージでした。人気モデルがそろう舞台裏で大活躍しているモデルのコウヘイ(Kohei)さんを見つけ、今回のMFW は普段に比べて変化があったかどうか、お尋ねしました。コウヘイさんは「仕事中ではそこまでの違いはありませんが、モデルによってはどこから来たのか聞いてくる人もいました。残念ながら電車やレストランなどの街中では、(アジア人であることに対しての)差別を感じることがありました」とのこと。

 韓国人モデルのチェ・ソラ(Sora Choi)に「調子はどう?」と尋ねると、疲れているようで、顔をしかめてジェスチャーでイマイチと表現。アジア系モデルも若干いつもとの違いを感じているようでした。またロンドン在住のメイクアップアーティストのマナブさんは「バックステージの仕事はいつもと変わらなくお仕事ができています。しかし、ミラノの街中では『ウーファン(武漢)から来たのか?』と一度聞かれました。ミラノに来る前までのロンドンの街中は全然差別は感じませんでした」と話していました。

 同日の夜、ミラノの空港のチェックインカウンターで3人の新人モデルを見かけたので、今回のコレクションの感想を聞きました。その中の一人は中国人モデルで上海から来たそうですが、今回のコレクションでは酷い差別を受けたと、とても悲しそうにしていました。

 前回のコラムは、新型コロナウイルスの状況が悪化する前でしたが、2月23日からはイタリア政府が外出を控えるように勧告し、計画的にミラノの交通機関の量も減らしたそうなのです。その影響もあり、日曜日は休日にもかかわらず、明らかにいつもよりも街中には人は居ませんでした。駅やホーム、トラムでは私以外は誰も居ない状態で、こんなミラノを体験したのは初めてで、状況の深刻さを体感すると共に政府の敏速な対応を目の当たりにしました。これ以上、状況が悪化しないことを心から祈りながらミラノを発ちました。

 ミラノからパリに到着し空港で荷物を待っていると、モデルのジジ(Gigi Hadid)とベラ(Bella Hadid)のハディッド姉妹とお母さまのヨランダ(Yolanda Hadid)に遭遇しました。妹のベラは私に気づくと笑顔で近づいて来て「ハイ〜、また会ったね、元気にしてるの?」とハグまでしてくれました。彼女の優しさに感動したことを表現すると「当たり前じゃない!」と言ってくれました。ミラノで体験した私の悲しい気持ちは、ベラの愛で吹き飛んでいったのでした。

景山郁:フリーランス・フォトグラファー。2003年からフォトグラファーとしてのキャリアをスタート。07年に渡米、09年より拠点をパリに移す。10年から「WWDジャパン」でパリ、ミラノなどの海外コレクションのバックステージと展示会などの撮影を担当。コレクション以外にもポートレート、旅やカルチャーなどエディトリアル、広告を手掛ける。プライベートでは動物と環境に配慮した生活をモットーにしている

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