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中国で人気が高まる日本のデニムメーカー、その理由と課題

 中国の都市部に住む若い男性たちの間で、日本のプレミアムデニムブランドが人気を集めているようだ。リサーチ会社のユーロメーターによると、2008年にはわずか176億ドル(約1兆7700億円)だったアジアにおけるデニムの売り上げが、13年には269億ドル(約2兆7100億円)にまで伸びている。このうちの42%を占める、115億ドル(約1兆1600億円)の売り上げを計上した中国は、アジアのデニム市場の急成長を牽引している。中国のデニム市場は巨大だが、トップブランドの「リーバイス(LEVI'S)」「リー(LEE)」「テックスウッド」「ユニクロ(UNIQLO)」「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」が占める市場シェアはわずか12%だ。ここに日本のプレミアムデニムブランドのチャンスがある。

 日本のデニムブランドを扱う上海の店舗を訪れた20代の男性顧客は、「12年に日本へ旅行に行ってから日本のデニムブランドのファンだ。大量生産をしないのがいいところなんだ。クオリティも確かだし、信頼できる」と話す。彼の好きなブランドの一つでもある、「ステュディオ・ダ・ルチザン(STUDIO D'ARTISAN)」は、この1年で中国人消費者が急増したようだ。また、別の企業の代表者は、昨年から中国での売り上げが倍増したと話す。「若い中国人男性のファッションへのこだわりが強くなり、日本のデニムブランドを取り入れたオリジナリティの表現をするようになった」と話すのは、マーケティング会社を運営するクラランス・フイ。「エヴィス(EVISU)」や「ディーゼル(DIESEL)」を含むブランドの中国進出のサポートやアドバイジングを行ってきた彼は、中国都市部の男性の消費文化が、比較的ニッチな日本のデニムブランドを受容するまでに成熟したと考えている。「モモタロージーンズ(MOMOTARO JEANS)」の親会社、藍布屋(らんぷや)の営業担当は、「発送や関税の関係で、日本で買う方が安いため、中国から買い物に来る中国人男性はたくさんいる。デニムだと2、3本購入する場合が多い」と話した。

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