PROFILE: 松久直司/東京大学先端科学技術研究センター准教授

メイクが会話や視線に合わせて変わる。肌に貼ったシートが色を変え、ケアのタイミングも知らせる。そんな「電子コスメ」に挑むのが、東京大学先端科学技術研究センターの松久直司准教授だ。伸縮する電子材料の研究を、皮膚に貼るディスプレーや着けていることが分からない電極へと応用してきた。目指すのは、我慢して装着するのではなく、楽しむために身に着けるデバイスだ。(この記事は「WWDJAPAN」2026年10月26日号からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)
電子材料の研究者が化粧に着目した理由
WWD:「電子コスメ」とは、どのようなものか。
松久直司准教授(以下、松久):大きく2つの方向性がある。1つは、周囲の環境やコミュニケーションに応じて見た目が変わるアクティブな化粧だ。例えば、目が合った瞬間に頬が赤くなったり、会話に応じて色が明るくなったり、暗くなったりする。もう1つは、皮膚の状態を測定し、ケアするものだ。肌の乾燥状態をセンサーで調べ、化粧水を塗るタイミングを知らせたり、電気刺激によって顔の筋肉に働きかけたりする。夜寝る前だけでなく、日中も継続的にケアできるようになるかもしれない。
WWD:そもそも電子材料の研究から、なぜ化粧へ?
松久:10年ほど前から、ゴムのように伸びる電子材料を研究してきた。普通の電子回路は曲げたり伸ばしたりすると壊れるが、導電性の材料を工夫すれば、伸ばしても電気が流れる。金属の微細な材料や高分子などを使い、印刷によって薄いシート上に伸縮する配線や電極を形成し、皮膚の動きに追従するセンサーなどに発展させてきた。
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