ファッション業界のご意見番であるコンサルタントの小島健輔氏が、日々のニュースの裏側を解説する。三陽商会が2027年2月期の中間決算を発表した。6月の天候不順が響いて赤字幅が拡大するなど、厳しい結果だった。「バーバリー(BURBERRY)」のライセンス事業を失った経営危機からは復活したものの、安定成長を軌道に乗せるにはまだ課題が多そうだ。同社が克服すべきテーマを詳しく分析した。
三陽商会の2027年2月期中間決算は減収・損失拡大で、損失は8月末に下方修正した額からさらに拡大した。本決算も前期まで2期連続の減収、営業・経常減益で、打開策が見出せないまま8月末には発行済み株式の9.2%にのぼる自己株式の取得や株式の3分割(9月1日発効)など資本政策で株価の維持を図ろうとした。販路政策やMD革新にも進捗がなく、本業の低迷を打開できないまま資本政策に走る三陽商会は一体どうするべきなのか。
減収・損失拡大の中間決算で本決算にも黄信号
三陽商会の2027年2月期中間決算は売上高が259億5300万円と前年同期から4.0%減少、営業利益は4億9900万円の損失と前年同期の2億1300万円の損失から損失が拡大、親会社株主に帰属する中間純利益は5億5500万円の赤字と前年同期の2億9900万円の赤字から赤字幅が拡大した。売上高こそ当初見通しの276億円から8月末に下方修正した257億円をかろうじて上回ったが、営業利益は当初見通しの1億円の黒字から8月末に下方修正した4億円の赤字、中間純利益は当初見通しの4000万円の黒字から8月末に下方修正した4億8000万円の赤字をさらに下回った。
それでも9月のプロパー売上が前年同月比111%まで回復していることなどを挙げ、27年2月期の通期業績は売上高600億円(前期比2.7%増)、営業利益21億円(同61.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益40億2000万円(同2.3%減)と予想を据え置いたが、根拠が希薄と言わざるを得ない。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。
