アダストリアが新ブランド「エルミラ(ELMIRA)」をローンチした。AIと共に作るブランドで、時間と人員を削減することで平均価格を3000円に抑える。40〜60代の女性をターゲットに、エレガントなデザインのアパレルを提案する。10月8日に、自社ECモール「アンドエスティ(and ST)」で販売を開始する。
「エルミラ」では、AIが“ささげ”を担う。ささげとは、「撮影」「採寸」「原稿」の頭文字を取ったアパレル用語で、ECを運営するために必要な業務のこと。「エルミラ」では、人気ファッションモデルのSHIHOをAI生成した「AI SHIHO」が専属モデルを務めており、ささげにかかる時間を半分程度に短縮した。初回25型を販売するが、この規模のブランドであれば商品企画などに通常3人ほど人員が必要なところ、AI活用によって1人で業務を回せている。事業規模が大きくなっても、人員体制は大きく変えない。
アダストリアを中核とするアンドエスティHDは、マルチブランドを強みとしており、中期経営計画2030で50ブランドまで増やすことを目標にしている。アダストリアの北村嘉輝社長は「ブランド数を増やすと、どうしても生産効率が落ちる。人員も割かれる。そんな中で、(カギとなるのは)AIをいかに駆使するか。人がやるべきことは『決断』。これまで仕事の8割が作業だったが、AIをうまく使えれば、今後50ブランドを持つことも夢ではない」と述べた。
40〜60代の女性に低価格の選択肢を
ターゲットを40〜60代にしたのは、高齢化社会の進行を見据えてのこと。若年層向けが多い低価格帯市場において、ミドル世代の選択肢となることを目指す。体のラインをカバーできるシルエットとエレガントなデザインを両立し、40〜60代の女性が手に取りたいと思える商品を提案する。「エルミラ」というブランド名も、「エレガントを映す鏡」という意味を込め、「エレガント」と「ミラー」を組み合わせた。
今後はデザインやMD、ディストリビューションまで、AIの活用領域を広げる考え。「通常であれば、サンプル作りはファースト、セカンド、ファイナルと、ブラッシュアップを繰り返すものだが、AIを活用すればファーストサンプルから高いクオリティーにできる」(事業責任者の後藤崇仁氏は)と、期待を寄せる。