アンドエスティHD(旧アダストリア)の特例子会社で、障がい者の雇用支援を事業とするウィーアーは8月31日、水耕栽培事業「エヴリーフ(EVELEAF)」をスタートする。障がいのあるスタッフが無農薬で新鮮な野菜を育て、グループ会社ゼットンが運営する飲食店や社員カフェに卸すほか、複合施設「ニコアンド ベース」のサウナでは生ハーブを使った「生ハーブロウリュ」を開催する。
ウィーアーの前身は、アダストリア・ゼネラルサポート。2014年に「障がい者の雇用の促進等に関する法律」に基づく特例子会社の認定を受け、グループ会社の店舗運営や物流業務などを支援してきた。同じくグループ会社だったアドアーリンク(24年にアダストリアが吸収合併)からサーキュラー事業を継承し、25年に現社名に変更。現在は、約250人のスタッフが、アパレル商品の検品や集配、全国店舗の支援業務、廃棄在庫・サンプル商材の再販事業などを行っている。
今回新たに始めた水耕栽培は、気温や季節に左右されずに野菜を育てられるほか、室内で作業するため体への負担が少ないのが特徴だ。「朝は水耕栽培、昼は事務作業」といったフレキシブルな働き方も可能になる。現在は最初の拠点である山形サポートセンターからほど近くにある屋内農園で、発表会に登壇した瀬津博之さん、神保文子さんを含めた3人のスタッフが栽培を担当している。今後は事業の拡大に合わせて農園も増やし、各地域で野菜を育てていく。
卸先を確定してから栽培を始めることで、食品ロスを抑える方針を取る。その背景には、安定して卸先を確保できる環境がある。アンドエスティHDには、ゼットンが運営する飲食店ほか、カフェやバーベキュースペースがある「ニコアンド ベース」など、卸先となり得る事業が多い。「作った野菜を自分たちで食べるのも良いが、やはり誰かに届けたい。そうすることで、仕事の質も上げていけるのではないか」(ウィーアーの高橋朗代表)と、スタッフのモチベーションの向上にも期待する。