オンワードグループのクリエイティブヨーコは8月6日まで、東京駅一番街 いちばんプラザに「しろたんふんわりストア」をオープンしている。初日の7月24日あさ9時には、整理券を手に入れるため30人ほどの熱心なファンが列を作った。
列の先頭に並んでいた女性に話を聞けば、東京のポップアップにはほぼ毎回足を運んでいるという。「今日はあさの6時半には到着していた。仕事柄お盆前は忙しいが、ポップアップとしろたんの誕生日(8月8日)は必ず有給を取っている。すでに自宅はしろたんのグッズで溢れているが、今日も限定アイテムはすべて買うつもり」。
ほかのキャラクターには目もくれず、高校生の頃に出会ったしろたんを20年以上推している。「あなたにとってしろたんとは?」と聞くと「癒し」と即答した。
大人のファンは何を買っているのか
しろたんのファン層は20〜40代とやや高い。ライセンス商談の場であるライセンシングジャパンを訪れたり、企業がプレスリリースを配信するプラットフォームPRTIMESをチェックしていたりと、子どもなら真似できない情報の追い方をしているファンもいる。ポップアップでも、1回目の整理券を手にした人の多くが大人の女性だった。オープンした会場を見渡しても、子供向け商品は少ない。
ポップアップ会場で彼女らが手を伸ばすのは、ソフトトイである。商品構成を見ても、ぬいぐるみやマスコットキーホルダーが大半を占めている。特に“抱きぐるみ”は人気の高いシリーズであり、累計販売数は46万個に達した。同社もプライドを持って製作している商品群である。
しろたんのソフトトイを手に取ってみると、確かに肌触りが良い。しかもフワフワ、モチモチ、サラサラ──好みの肌触りを選べる。社史を辿るとそのクオリティーの理由が分かる。クリエイティブヨーコは、キャラクタービジネスではなく、製造小売から始まった。
同社は1981年、雑貨ブランド「マザーグースの森」からスタートした。93年には横浜・八景島シーパラダイス内に八景島 アクアミュージアムショップをオープン。これが大成功を収める。
しろたんはこの水族館で生まれた。今でこそアニメ放送を控えるほどストーリーがあるが、当初は「あざらしのぬいぐるみ」として販売しており、名前すらなかった。裏を返せば、キャラクターとして独り立ちしていないのにも関わらず、商品力だけで人気を集めていたことになる。同社は現在もオリジナルグッズの企画・開発から販売までを社内で完結するなど、モノ作りを強みとしている。コラボ商品も、ぬいぐるみは同社が生産を引き受けているそうだ。
「癒し」を作るのは、キャラクターデザインだけではない。ソフトトイをはじめとした商品があって完成する。思わず触れたくなるような商品を通して、しろたんへの愛着を育てていく。