
ビューティ賢者が最新の業界ニュースを斬る
ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN.com」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。
今週は、デジタル時代のPRの話。(この記事は「WWDJAPAN」2026年6月22日号からの抜粋です)

木津由美子/ビューティ・ジャーナリスト プロフィール
(きづ・ゆみこ)早稲田大学卒業後、外資系航空会社、化粧品会社のAD/PRを経て編集者に転身。「VOGUE」「marie claire」「Harper's BAZAAR」でビューティを専門に担当し、グローバルトレンドやウェルネス企画などを展開。2023年独立。早稲田大学大学院商学研究科ビジネス専攻修了、経営管理修士(MBA)。FASHIONSNAPにて香水連載を展開中
【賢者が選んだ注目ニュース】

かつて、コスメブランドのPRが花形職業とされた時代があった。ファッション誌「anan」(マガジンハウス)ではブランドPRにフォーカスするコラムを連載していたし、「CREA」(文藝春秋)ほか多くの女性誌で彼女たちのライフスタイルまでも取り上げていた記憶がある。1990年代後半〜2000年代前半あたりの話だ。しかしその後、PRの存在は徐々に薄れることとなる。なぜか。PRの役割が大きく変わったからだ。
コスメPRが花形職業と言われていたのは、雑誌・テレビ・新聞といった、いわゆるオールドメディアが絶大な影響力を持っていた時代である。PRといえば、プレスリリースや販促物の制作、発表会や読者イベントの企画運営、媒体への個別キャラバン、各媒体の特集内容の情報収集、他ブランドの動向リサーチ、タイアップ広告の進行管理など、ブランドとメディアをつなぐ幅広い業務を担っていた。
ところがウェブやSNSなどのニューメディアが台頭するにつれ、PR業務の軸足はインフルエンサーとのリレーション、SNSとの連携にシフトし始めた。特にデジタルマーケティングと好相性のコスメ業界では、そこに注力するためにPR職を廃止しマーケティング部署に統合、従来のPR業務は外部へ丸ごと委託する企業が目立つようになる。
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