今春のスイスの時計業界で最大のニュースは、「ユニバーサル・ジュネーブ(UNIVERSAL GENEVE)」の復活だ。仕掛けるのは、「ブライトリング(BREITLING)」。クロノグラフの名門「ブライトリング」を運営するパートナーズグループ(PARTNERS GROUP)は2023年、香港やマカオ、シンガポール、タイなどのアジア圏における時計の卸売り&小売り事業を営むステラックス(漢字表記だと宝光実業)からユニバーサル・ジュネーブを買収。ウオッチズ・アンド・ワンダーズの開幕に先立つ4月13日、コレクターや小売りパートナー、メディア、KOL、職人ら約300人のゲストを招いて復活に関するイベントを開催。“ザ・コンパックス”と“ザ・ポールルーター”“ザ・カブリオレ”“ザ・ディスコ・ミニ”という4種の基幹ラインアップを発表した。価格は、100万円前後の時計が豊富な「ブライトリング」に比べると、定番品で1万5000〜4万ユーロ(約270万〜740万円)。それ以上の価格帯になるというシーズナルな限定の“カプセル”や一点モノの“クチュール”(詳しくは後述する)などを含め、最高峰ブランドの一翼を狙う。価格はもちろん、メンズからレディスまでの豊富なラインアップを一斉に発売するなど、かなり野心的なプロジェクトだ。(この記事は「WWDJAPAN」2026年4月27日&5月4日合併号からの抜粋です)
「ユニバーサル・ジュネーブ」は、1894年設立。革新的なデザインや卓越した職人技により、1960年代には「時計のクチュリエ」と称されたが70年代の“クオーツ・ショック”により失速した。これを受け新生「ユニバーサル・ジュネーブ」は、4つの基幹ラインで“プレタポルテ(いわゆる定番品)”と、年に2回を目指す“カプセル(限定品)”コレクションを用意。さらにその上には顧客のリクエストをかなえる“クチュール”ラインを設けるなど、ファッション同様のアプローチを取る。
課題は日本を含め、組織だろう。「ブライトリング」はレディスも強化しているとは言え、これまでのメインは圧倒的に男性。一方の「ユニバーサル・ジュネーブ」では、顧客の35〜40%程度を女性と想定する。製品からコミュニケーションに至るまで、レディス時計に関するノウハウの早期獲得が不可欠だ。
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