スイス時計協会のイヴ・ブグマン(Yves Bugmann)会長は、「不確実性が高まり市場環境も厳しかった1年を経て、業界は回復を期待している」という。昨年は、長引く中華圏市場の低迷、スイスフラン高(期間中の1スイスフランは今年、200円を超えていた)、金価格の高騰、そしてアメリカによる関税措置の乱高下により厳しい状況に見舞われた。(この記事は「WWDJAPAN」2026年4月27日&5月4日合併号からの抜粋です)
このうち関税については2月、アメリカの最高裁判所が「議会の承認なしに関税を課すべきではなかった」との判決を下した。だが時計アドバイザー兼アナリストであるオリバー・R・ミュラー(Oliver R. Müller)=リュクス・コンサルト(LuxeConsult)創設者は、「最高裁判所が不当な関税の返還を命じる判決を下したにもかかわらず、スイスと米国間の交渉は3月末までに完了予定だったものの終わらず、いまだ継続中。今後は依然として不透明だ」と話した。
しかし、明るい兆しもある。たとえば金価格は高騰が続いているが、にもかかわらず(だからこそ?)消費者の需要は依然として高い。ミュラー創設者は、「チタンはまだ金無垢の時計ほど価値が高いとは認識されていない」と述べ、この業界には依然として優れた投資対象を探している富裕層が存在すると指摘する。ブライアン・ダフィー(Brian Duffy)=ウォッチズ・オブ・スイスランド・グループ(Watches of Switzerland Group)最高経営責任者(CEO)も、「米国における金時計の売り上げは堅調。時計には、安全資産としての要素がある。人々は金の価値の動向を目の当たりにしており、それが金無垢時計の魅力を高めている」と語る。実際、昨年から金無垢を贅沢に用いた時計は一つのトレンドとなっている。
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