ファッション

本明秀文の“ノット”スニーカーライフ「“最高”の正体」

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アトモスの創業者・本明秀文さんの独自の目線と経験から、商売のヒントを探る連載。昨今のスニーカーブームは2017年頃に始まり、近年“終焉を迎えた”と言われている。しかし、その一方で過去最高の業績を記録しているスポーツメーカーもある。もちろん、これはスニーカーの売り上げだけによるものではないが、市場が急速に冷え込んだ今でも売れ続けているのはなぜか?今回は、スニーカービジネスの浮き沈みを何度も経験してきた本明さんが、その法則を語る。キーワードは“ 引き際”だ。(この記事は「WWDJAPAN」2025年3月24日号からの抜粋です)

本明秀文(以下、本明):スニーカー業界は「ナイキ(NIKE)」が売れないと盛り上がらない──これは、みんなの共通認識だと思う。例えば「オン(ON)」が売れているとはいえ、ナイキジャパンの売り上げは、オンジャパンの売り上げの約20倍。多くのスニーカーショップは、「ナイキ」以外のブランドでは「ナイキ」の売り上げをカバーしきれない。だから世界中のスニーカーショップが大幅に売り上げを落としている。3月20日に発売された“エア フォース1(AIR FORCE 1)”の“リネン”は、2001年にアトモスで提案したカラーの復刻で、僕たちはその色味が豚みたいだったことから、“豚フォース”と呼んでいた。当時、人気があった“エア フォース1”の別注モデルを作る許可を得られず、“アトモス別注”と正式にうたうことはできなかったんだけど、「ナイキ」がカラーコードの部分に“atmos”と入れてくれた。思い入れのあるその“豚フォース”の当時の価格は9000円。今回の復刻版は1万8000円と2倍になっている。世界的に物価の変動が激しくて、もはや何が正当な価格なのか分からなくなってきた。先日、おにぎり屋の米を買いに山梨の米農家を訪ねたところ、「4月から1kgあたり200円値上げする」と言われた。話を聞くと、どうやら米もどこかが買い占めているらしい。多くの米農家がこれまで取引してきたJAを無視して、より高く買い取ってくれる業者に卸し始めているという。その結果、一般流通分が不足して、価格が異常に高騰するという負の連鎖が起きていると。

──“豚フォース”が発売された01年は、ちょうどデフレ不況の時期でしたよね。マクドナルドのハンバーガーが65円になるなど、物の値段が下がっていた時代です。なぜ今、スニーカーの価格は上がり続けているのでしょうか?

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