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「パット・マクグラス ラボ」が米破産法申請 資産の競売は無期限で延期に

世界的に活躍するトップメイクアップアーティスト、パット・マクグラス(Pat McGrath)が手掛ける「パット・マクグラス ラボ(PAT McGRATH LABS)」が、日本の民事再生法に当たる米連邦破産法第11条の適用を申請することが明らかになった。米「WWD」が報じた。

同社の広報担当者は声明で、「本プロセスの期間中、当社は通常通り事業を継続しながら財務基盤の立て直しに取り組み、持続的な成長のための道筋を築く。『パット・マクグラス ラボ』は高品質な製品、カルチャーを定義するアーティストリーとイノベーションを提供し続けるとともに、コミュニティー、顧客、パートナー、ステークホルダーへのコミットメントを堅持する」としている。

これに伴い、ブランド資産などを担保に融資していた貸し手が予定していた競売は、無期限で延期された。

米「WWD」は昨年12月、「パット・マクグラス ラボ」が売却プロセスに入っており、米金融サービス大手ヒルコグローバル(HILCO GLOBAL)がその管理を担っていると報じていた。競売は1月25日(現地時間)に実施される予定だった。

当時、同社の広報担当者は、「ブランドが持つ永続的な強さとクリエイティブ・リーダーシップに見合う財務体制を整えるため、現在、パートナーと共に事業再編および資本政策の見直しを進めている。これらのプロセスは2026年初頭に完了する見込みで、強力なイノベーションのパイプライン、パートナーのコミットメント、そして情熱的なグローバル・コミュニティーからの揺るぎない支援により、健全かつ生産的な環境のもとで前進できると考えている」と説明。「年初から売り上げは大幅に伸びており、新年に向けて勢いを感じている」としていた。

マクグラス=メイクアップアーティストは、ファッションウイークの第一線で何十年も活躍し、スタッズをあしらった唇や金色の眉など革新的なランウエイルックを生み出してきた。15年に自身のメイクアップブランド「パット・マクグラス ラボ」を立ち上げ、第1弾の製品として40ドル(約6000円)の多用途なゴールドピグメントを発売。特注のスパンコールをデザインしたバッグに入った限定品で、公式サイトでは6分で1000個を完売した。

18年には、仏投資会社ユーラゼオブランズ(EURAZEO BRANDS)から6000万ドル(約92億円)の資金調達を実施。当時、業界関係者の間では、ブランドを運営するパット・マクグラス コスメティクス(PAT McGRATH COSMETICS)の企業評価額は10億ドル(約1540億円)超とされ、ユーラゼオブランズは5〜8%の株式を取得したとみられていた。

しかし近年は、セフォラ(SEPHORA)やアルタビューティ(ULTA BEAUTY)などへ展開する中、オペレーション上の課題に直面。経営陣の交代や人員削減を行い、現在の評価額はかつての水準から大きく下がっているとされる。数年前には、ユーラゼオブランズが水面下で保有株を売却していた。業界関係者によれば、昨年の売上高は約5000万ドル(約78億円)だった。

昨年3月には、マクグラス=メイクアップアーティストが「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のコスメティック部門のクリエイティブ・ディレクターとして手掛けるメイクアップライン“ラ・ボーテ ルイ・ヴィトン”が発売され、自身のブランドへの影響を懸念する声も上がっていた。マクグラスは当時の記者会見で、「美を作るということ、しかも単なる美ではなく一つの世界、一つの惑星を築くことができた。それはまさに宇宙であり非常に楽しい経験だった」と語っている。

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