グレン・マーティンス(Glenn Martens)がクリエイティブ・ディレクターに就任した「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」は10月4日、初のプレタポルテとなる2026年春夏コレクションをパリで発表した。会場の外には、ブランドの退廃的な美学に共鳴するファッション関係者やクリエイターたちが集結。彼らの装いは、使い古した風合いや、切りっぱなしのジレ、縫い目をあえて裏返しにしたドレスなど、ブランドを象徴する脱構築の精神が息づいている。過去の “アーティザナル“コレクションで度々見られた、コルセットを着用する来場者も多数。アイテムが「メゾン マルジェラ」のものとは限らないが、それぞれが自らの手でDIYを施し、ブランドの精神性を表現していた。
足元は、長年にわたり高い人気を誇る“タビ“シリーズが圧倒的な支持を得ており、ブーツからバレエシューズ、サンダルまで多様なスタイルが並ぶ。バッグは、前任のジョン・ガリアーノ(John Galliano)が手掛けた“5AC”が定番となっている。退廃と再生、匿名性と個性の狭間で、「メゾン マルジェラ」の信奉者たちが集うショー会場外は独特の世界観を醸し出していた。