エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES以下、ELC)は、10月1日付でエグゼクティブ・バイスプレジデント兼チーフ・リサーチ&イノベーション・オフィサーに米飲料・食品大手ペプシコ(PEPSICO)でエグゼクティブ・バイスプレジデント兼チーフ・サイエンス・オフィサーを務めたルネ・ラマース氏(Rene Lammers)が就任する。同氏はステファン・ド・ラ・ファヴリー(Stephane de La Faverie)最高経営責任者(CEO)の直属となる。
ラマース氏はペプシコでグローバルの研究開発(R&D)を統括していた経歴を持つ。ペプシコ入社以前はユニリーバ(UNILEVER)でパーソナルケアやホームケア、ランドリー領域の技術開発をリードする上級職を歴任した。チーフ・リサーチ&イノベーション・オフィサーとしてラマース氏は、ELCのグローバルR&Dを率い、製品および臨床研究、研究成果の発信、薬事戦略、先端技術開発などを統括する。また世界各地のR&D・イノベーションセンターを監督し、需要の高いサブカテゴリーで迅速かつトレンドに沿った製品開発を推進する。
異業種登用でイノベーションを強化
ド・ラ・ファヴリーCEOは、従来の枠にとらわれない人材登用を続けており、過去にはネスレ(NESTLE)出身のオード・ガンドン(Aude Gandon)氏をチーフ・デジタル&マーケティング・オフィサーに起用している。「ルネは卓越したイノベイティブなリーダーであり、深い科学的知見、グローバルな視野、最先端の製品開発への情熱を兼ね備えている。当社が研究・イノベーションのあり方を変革し、消費者中心の戦略により一層沿うために不可欠な存在だ。イノベーションの創出は、当社の戦略ビジョンである“ビューティ・リイマジンド(Beauty Reimagined)”の核を成す。ルネのリーダーシップの下、より画期的な新製品や、トレンドを捉えたイノベーションをプレステージ市場の各価格帯で迅速に届ける能力を高める」とコメント。
今回の人事で「新体制が完成」
イノベーションの強化とスピード向上は、ド・ラ・ファヴリーCEOが掲げる成長戦略の柱だ。アナリストたちはこれまで、同社に目新しさや革新的な製品が不足していたことが成長の妨げになっていると指摘していた。今回のラマース氏の就任により、ド・ラ・ファヴリーCEOの経営チームは完成する。これまでにジェーン・ハーツマーク・ヒュディス(Jane Hertzmark Hudis)氏がエグゼクティブ・バイスプレジデント兼チーフ・ブランド・オフィサー、タラ・サイモン(Tara Simon)氏がアメリカ地域プレジデント、アンバー・イングリッシュ(Amber English)氏がアメリカ地域デジタル&オンライン・プレジデントとして加わっている。ド・ラ・ファヴリーCEO「この人事により、私のエグゼクティブチームはついに完成し、次の成長と変革の章に向けた体制が整った」と述べている。