TSIホールディングスは14日、カジュアル衣料やライフスタイル雑貨を展開する「フリークス ストア(FREAK’S STORE)」などを運営するデイトナ・インターナショナルの株式を取得し、100%子会社化することを発表した。取得金額は283億円。取引は9月2日に完了予定だ。
デイトナは1990年に創業。「フリークス ストア」をはじめ、「ファーストハンド」「フリーダ」などファッションや雑貨、家具の企画・製造・販売を中心としたライフスタイル事業を展開している。2021年に持株会社として設立されたMustangが、旧デイトナ・インターナショナルを吸収合併し、現社名に商号変更した。21年にユニゾン・キャピタルが過半を出資し、売上高は25年2月期で約393億円だった。しかし、23年2月期以降、3期連続で純損失を計上しており、25年2月期も5億3900万円の営業利益、3億6700万円の経常利益を出しながら、純損益は約7000万円の赤字となっていた。
TSIはストリート、カジュアル、アウトドア分野においてデイトナと高い親和性があると見ており、ブランドポートフォリオの戦略的な補完と、新たな顧客獲得につながると判断した。特に、OMOプラットフォームを活用することで、既存ブランドとの相互送客や関連商品のクロスセルによるシナジー創出が期待されている。
同社は2024年4月に発表した中期経営計画「TSI イノベーション プログラム 2027(TIP27)」において、ブランドポートフォリオの拡張と新市場への進出を成長戦略の柱に据えており、今回のM&Aもその一環となる。
なお、同社の25年2月期の売上高は前期比0.8%増の1566億円、営業利益は同7.1%減の16億円、純利益は214%増の152億円だった。純利益には東京・港区に保有する不動産売却による特別益239億円が反映されている。