
新生「ディオール(DIOR)」は、見る者に衝撃を与えた。「誇示」するようなアイテムや「隙のない」スタイルはほぼ皆無。ラグジュアリーとは、「服が主役」ではなく、「着る人が主役」の洋服であり巣アイルであると改めて諭された。ラグジュアリーの定義が変わり始めている。Vol.2では、装飾は控えめに、着る人のアティチュード、志向や価値観、生き方を物語るブランドたちの最新コレクションを紹介する。(この記事は「WWDJAPAN」2025年7月7日号からの抜粋です)
「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」
DESIGNER/ファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)
ストリートスタイル一辺倒だった男性が、ファレルが提唱するダンディズムを学びながら、トランクとともに世界を旅して、見識を深めつつ成長していく物語は続く。映画「ダージリン急行」にインスピレーションを得て、コンパクトなジャケットにフレア気味のリラックスパンツ、ストライプのクレリックシャツのスタイルを打ち出す。引き続きアクセサリーはミーハーでキャッチーだが、ウエアにおける「ルイ・ヴィトン」らしいモチーフは極端に減った。コーヒー豆のようなブラウンで彩る。
「ベルルッティ(BERLUTI)」
DESIGNER/デザインチーム
足のプロフェッショナルとしてシューズから組み立てたスタイルの要は、「ベルルッティ」傘下になっていたパリ左岸の老舗ブランド「アルニス(ARNYS)」の名物ジャケット“フォレスティエール”。ハンティングジャケットをベースに、控えめなスタンドカラーで仕上げたジャケットは、レザーからリネンまでさまざまな素材と色で仕上げ、その選択は着る人に委ねる。
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