
AIとD2Cを強みに急成長を遂げているAiロボティクスは、同社初のヘアケアブランド「ストレイン(STRAINE)」を発売した。デビューアイテムは“ストレートシャンプー”(475mL、1980円、詰め替え用は400mL、1540円)、“ストレートトリートメント”(475mL、1980円、詰め替え用は400mL、1540円)、“ストレートヘアオイル”(80mL、1980円)の3種。6月18日から全国のバラエティーストアで先行発売し、7月1日から全国のドラッグストアで取り扱う。同社が本格的に小売り展開するのは初めて。
レッドオーシャン化が進むヘアケア市場
「それでもここはブルーオーシャン」
レッドオーシャンと呼ばれるヘアケア市場に参入した背景には、美容投資額の増加傾向がある。ホットペッパービューティーの調査によると、25年における美容費(サロン利用や化粧品購入など)の月平均は過去最高の5826円に到達した。
また、「ストレイン」がメインターゲットに据える30代女性は、髪悩みの1位に「くせ毛」を挙げている(LALA HAIR調べ)。こうしたニーズに応えるかたちで、「ストレートヘア」を軸に据えた製品開発に取り組んだ。
ブランド名「ストレイン」は「Straight(真っ直ぐ)」と「line(線)」を掛け合わせた造語。「使った瞬間、ストレートな髪質になれる」品質をイメージして名付けた。処方は縮毛補修発想で髪の内部組成に着目。まっすぐまとまる髪を目指した3つのアプローチを採用しており、同社によると世界初の処方設計だという。
1つ目は、内部補修をかなえるアミノ酸とジマレイン酸の融合。うねり髪の原因となる内部構造の乱れを補修する。2つ目は、7種のケラチンでかなえる“シルク質感”。ダメージによる髪内部の空洞をケラチンが内側から補修し、しなやかで滑らかな髪に仕上げる。
3つ目は、湿気にも熱にも負けない“潤いバリア”。湿気によるうねりを防ぐために5種のセラミド、サクランで水分をキープする。熱に反応してバリアを形成するy-ドコサラクトンとキューティクルを保護する18-MEAで、外部刺激から髪を守り、ストレートヘアをキープする。
香りは、みずみずしく上品で雰囲気のあるフローラルとフルーティが融合した香りを採用。三角形のボトルデザインは3つの処方アプローチ、過去・現在・未来の全てに髪悩みに向き合うブランド姿勢を表現する。
「サロン品質をうたう一般市場品は多く存在しているが、本質的にニーズをかなえている製品は少ない。サロンクオリティーでありながら価格は半分ほど。一見レッドオーシャンと呼ばれている市場で潜在ニーズに応えて新たな市場を開拓する」(池田愛ブランド事業部長)。
社員27名で上場
29年には売上高2200億円を目指す
Aiロボティクスは2016年に創業。AI、マーケティング、製品力の融合を強みとし、スキンケアブランド「ユンス(YUNTH)」や美容機器ブランド「ブライト(BRIGHTE)」を展開する。24年9月に上場を果たし、25年3月時点の売上高は142億円で着地。今期は2倍の約280億円を見込み、急成長を続けている。
「ユンス」「ブライト」はともにオンライン販売が主軸で、同社の売り上げの9割は自社ECサイトとECモールでの販売が占めている。今回、企業として初となる卸売りブランド「ストレイン」を展開し、「本格的な市場の制覇」(池田ブランド事業部長)を目指す。
同社の社員は27人と少数精鋭で事業を手掛ける。今後は既存ブランドの拡大、新規ブランドの創出を成長の基軸としつつ、M&Aにも着手し、さらなる売り上げの拡大を図る。29年には、売上高2200億円を目指す。