PROFILE: サンティアゴ・ルフェーヴル/チェンジナウ創設者兼CEO

2017年にスタートした世界最大級のサステナビリティサミット「チェンジナウ(CHANGENOW)」は、年々規模とプログラムを拡張し進化を続けている。その目的は、今世紀の主要な環境的・社会的課題に対応する具体的な行動とソリューション(解決策)の展開を促進すること。そして、世界中の人々が解決策に取り組んでいることを証明し、団結と勢いを示すことだ。4月24〜26日にフランス・パリのグラン・パレで開催された第8回は、エコシステムの促進や循環型経済から農業と土壌、ファッションまで18分野の約400社がブースを出展したほか、総勢600人の登壇者や約1200人の投資家などを含め世界140カ国から4万人が参加。会場では、3日間ひっきりなしにカンファレンスやトークセッション、企業のピッチ、ワークショップ、ミートアップも開かれ、活気とポジティブなムードにあふれた。サンティアゴ・ルフェーヴル(Santiago Lefebvre)=チェンジナウ創設者兼最高経営責任者(CEO)に、サミットの開催意義や今年のハイライトからサステナビリティにおける現在の課題までを聞いた。(この記事は「WWDJAPAN」2025年5月26日号からの抜粋です)
WWD:今年のテーマは?
サンティアゴ・ルフェーヴル=チェンジナウCEO(以下、ルフェーヴル):2025年、「チェンジナウ」はパリ協定と多国間主義を支持する“とりで”として、自らを位置づける。世界的な緊張が高まり、気候変動の国際交渉が圧力を受ける中、私たちが移行の中核として再確認するのは、国際協力の重要性と科学(特に気候科学)の擁護だ。そして、どんな政治的背景があろうと「インパクト」という私たちの羅針盤は変わらない。「チェンジナウ」は具体的な解決策の実行を加速させるための場。世界的な緊急課題の移り変わりに合わせて内容を調整しているが、今年はこれまで以上に分野を超え、大きな規模で野心を現実へと変えることに焦点を当てている。
WWD:サステナビリティをめぐる世界の現状をどのように捉えているか?
ルフェーヴル:揺り戻しは予想されていたが、私たちが考えていた以上に激しいものだった。“旧世界”は抵抗しており、科学の信用を失墜させ、社会を分断し、移行を遅らせようとする動きが見られる。しかし、「チェンジナウ」で私たちが目にするのは、成長し続ける世界的なムーブメント。科学者から若手起業家まで、そして一般市民から大企業まで、移行はあらゆる地域のあらゆる立場の人々によって支えられている。今は困難な時期であると同時に意義深い瞬間でもある。それは障壁があるにもかかわらず、より公正かつ持続可能でレジリエントな社会への変化が起こり続けているからだ。移行はオプションではなく、避けられない。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。
