サステナビリティ

「グッチ」親会社のケリングが注目する日本発のサステナ技術とは

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ラグジュアリーが期待を寄せる日本の技術革新とは

ケリング(KERING)はこのほど、産業の環境負荷低減に貢献するスタートアップ企業の発掘・育成を目的とした「ケリング・ジェネレーション・アワード(KERING GENERATION AWARD)」を日本で初開催した。120社を超える応募のなかから、ラグジュアリービジネスと親和性が高く、将来性を評価された受賞企業の革新技術をひも解く。(この記事は「WWDJAPAN」2025年4月28日&5月5日合併号からの抜粋です)

1st Winner:
ファーメンステーション

(FERMENSTATION)

酒井里奈/代表取締役

酒井里奈/代表取締役

PROFILE:(さかい・りな)国際基督教大学を卒業後、富士銀行、ドイツ証券など金融系複数社に勤務。その後、発酵技術に興味を持ち、東京農業大学応用生物科学部醸造科学科に入学、2009年3月卒業。同年、ファーメンステーションを創業し代表取締役に就任

発酵技術でゼロウエイストを実現

果物の搾りかすや米ぬかといった、有効活用されていない食品残さなどを原料に、独自の発酵技術で香料や保湿成分、エタノールなど多様なバイオ素材へと転換する。社名は“ファーメンテーション(発酵)”と“ステーション(駅)”を組み合わせた造語。あらゆる未利用資源が同社を通過して新たな価値を得て再出発する―そんな思いが込められている。微生物の組み合わせによって、転換可能なバイオ素材は幅広く、これまでに開発してきた原料は100種類以上。特定の菌に依存せず、さまざまな微生物に精通したプロフェッショナルが多数在籍する点も強みだ。美容・食品分野での応用が進んでおり、特にビューティ分野ではフレグランスやスキンケア製品などとの親和性が高い。食品向けには原料の香りを生かしたフレーバーエタノールや、プラントベースの呈味(味覚を刺激する成分)向上素材にも活路を見いだす。

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