サステナビリティ
連載 エディターズレター:SUSTAINABILITY 第21回

AI時代、“トレーサビリティ”トークは仕事の成績評価の一部となる

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AI時代、“トレーサビリティ”トークは仕事の成績評価の一部となる

これまで人間が行ってきた仕事の多くがAIに取って代わられることを肌身で感じます。チャットボット、議事録のサマライズ、画像認識AIレジによる会計などなど、ガンガン浸透していますよね。

人間の仕事は、その生産量ではなく質が重要となるのは明らか。マッキンゼーのポッドキャストを聞いていたら、これからの仕事の評価における質の重要性について「それは作曲家の仕事に似ている。どれだけ量産してもヒットしない曲ばかりでは評価は得にくい。たった一曲でもそれが大ヒットすれば長い間、多くの人の心に残る」といった話をしており、的を射ていると思いました。

質が重要=より人間らしい仕事ができる時代になったとも言えます。同じポッドキャストで「人々は、真価があり、インスピレーションを得られ、“つながれる”場所を探している」と語っていたのですが、買い物であれメディアであれ、娯楽であれ、人の心をつかむことで成立するビジネスはこの3要素は大切ですよね。そこが人間の出番というわけです。

牧場の羊とライブでつながることだってできる

トレーサビリティ(追跡可能性)は、持続可能なビジネスにおける大事な要素です。その意味は「製品がいつ、どこで、誰によって作られたのかを明らかにすべく、原材料の調達から生産、そして消費または廃棄まで追跡可能な状態にすること」。長く、細分化されたサプライチェーンの上に成り立つアパレルビジネスにおいてトレーサビリティをとることはとても難しい。というか、これまでほとんど行われてきませんでした。しかし今後は「やらねばならないこと」というより、「やった方が企業価値が高まりお得」な存在になってゆくでしょうか。なぜなら、そのほうがより豊かな、人間らしいストーリーを紡げて、その商品やブランド、企業が「真価があり、インスピレーションを得られ、“つながれる”場所」となりえるからです。

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