サステナビリティ

ファストリ、原料まで追えるサプライチェーン可視化システムが稼働 まずは綿から

ファーストリテイリングは11月7日、サステナビリティ方針の説明会として、「“LifeWear=新しい産業”説明会」を開催した。同様の説明会は2021年にスタートし、今年で3回目。昨年の説明会で公表していた、「最終商品から原材料まで、サプライチェーン全体を可視化するシステム」の詳細を説明すると共に、生物多様性保全のための取り組みなどを公表した。「サステナビリティ達成のために本業をおろそかにすることはない。われわれが本業を充実させることで、地球環境や人権もよくなるという形を作る」と、サステナビリティ分野を統括する柳井康治 取締役グループ上席執行役員。

同社では17年以降、縫製工場や素材工場の集約を進めると共に情報公開し、把握・管理を進めてきた。それを、さらにサプライチェーンの上流の紡績工場、原材料生産(自然由来の原料の栽培・収穫、合繊原料のチップ生産)にまで広げ、品質とコストの安定化を図ると共にトレーサビリティーや人権への対応も強化する。既に23年春夏シーズンから、「ユニクロ」商品で原材料レベルまでの商流を把握しているといい、8月末までに「ユニクロ」の綿商品の紡績工場を集約した。

今後、綿だけではない全素材で紡績工場集約を進める。「紡績工場は国別で整理し、半分から3分の1に集約していく。集約することで価格競争力が上がり、トレーサビリティーへの対応もしやすくなる」(指吸雅弘グループ執行役員)。

カシミヤは衛星画像で全牧場を解析

“原材料まで把握できる仕組み”は、サプライチェーンの各段階に関わるサプライヤーや取引先工場などが、産地、品質などの情報をプラットフォーム上に登録するもの。ファーストリテイリング社員も随時それを確認することが可能で、商品を企画する段階で原料産地や品質、規格などをトレースして指定することができるようになった。綿商品からこの仕組みをスタートしており、早期に全素材に拡大する。今後はトレーサビリティーをさらに深化させて、単に産地(国・地域)を指定するというのではなく農場や牧場まで指定していくという。リサイクルポリエステルのチップについては、既に工場指定に着手している。

「社外からの注目度が高く要望も多い」(柳井取締役)生物多様性については、「ファーストリテイリング生物多様性保全方針」を策定し、説明会と同日に公表した。「長期的にバリューチェーン全体で、ネットポジティブを目指す(企業活動で生物多様性に対しプラスの影響を与える)」。特に多様性への影響が大きいウール、カシミヤ、コットンにフォーカスし、カシミヤでは琉球大学の研究チームと連動して全牧場の衛星データ解析、牧場への社員訪問などを進める。ウールも同様にし、綿では環境再生型農業の検討を行う。

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