1. 海外素材を使い職人技を駆使、日本の老舗工場が婦人肌着の高級ブランド 親子2代で10年以上研究

海外素材を使い職人技を駆使、日本の老舗工場が婦人肌着の高級ブランド 親子2代で10年以上研究

キャリア インタビュー

2019/1/14 (MON) 03:00
日本発プレミアムインナー「アロマティック」からリバーレースをふんだんに使用したシャツ

 日本でインナー=肌着というと、まず思い浮かべるのは“ババシャツ”という人が多いのではないでしょうか?レースのトリミングがしてあるベージュやピンクがかったものが代表的で、防寒には重宝ですがデザイン性には欠けるものがほとんど。最近では「ユニクロ(UNIQLO)」による暖差のムレを解消する“エアリズム”などの優れものも登場し、インナーの選択の幅が広がりました。しかし、デザインはいたってシンプル。インポートの中には着心地もデザインも優れたものがあります。高級インナーとして人気の高いスイス発「ハンロ(HANRO)」やイタリア発「オスカリート(OSCALITO)」などが代表的。実は日本にも、それらインポートブランド同様の品質とデザイン性の高いインナーがあります。選りすぐりの糸をイタリアから輸入し、編みから縫製まで行うプレミアムインナー「アロマティック(AROMATIQUE)」です。

長年の研究を経て誕生した「アロマティック」

高木麻衣「アロマティック」ブランドプロデューサー:奈良県生まれ。同志社女子大学卒業後、リーガロイヤルホテルに入社し、約2年半フロントで勤務。伊藤忠ファッションシステムに入社し、ライセンスブランドの営業やブランディングを担当。2014年「アロマティック」の立ち上げを機にタカギに入社し、現在に至る。2児の母で、夫は同社の営業統括 PHOTO BY MAYUMI HOSOKURA

 「アロマティック」というブランドの誕生は偶然とも必然とも言えるものでした。ブランドプロデューサーを務める高木麻衣さんは、1930年に奈良で創業したインナーメーカーであるタカギの4代目。タカギは量販店向けの自社製品の製造および大手下着メーカーなどのOEMを行っており、高木さんの父親の高木寛・タカギ社長が2000年に取引先向けに提供する素材探しを始めたのがブランド立ち上げのきっかけでした。インナーにふさわしい最高の素材を世界中でリサーチし、糸の選別からそれを編み上げる紡績メーカー探し、日本人に合ったパターンなどの研究を続けた結果14年に生まれたのが「アロマティック」です。高木さんは、「父のこだわりが隅々まで反映されています。日本で肌着は消耗品的扱いですが、インナーメーカーとしてよりよい肌触りで高品質のものを提供したいという思いがありました。着心地とデザインの良さの両方を可能にする素材は日本にはなく、結果的に海外から調達することになりました」と話します。彼女はファッション関連企業に勤務していましたが、父親の思いを引き継ぐべく、ブランド立ち上げと同時にタカギに入社しました。

糸の選別からレースまで最高級素材を追求

 「アロマティック」のインナーの素材は、コットン、シルク、ウールの3種類。それらは全てイタリア製で糸のまま仕入れます。コットンは世界最高級と言われるフィルスコッツィア、シルクはイタリア老舗のオンゲッタ、ウールはイタルフィル社からのもので、全てイタリア国内で糸染めされたものです。「素材そのものを輸入するよりは、糸を輸入して日本で編む方がよりよいものができると判断したからです。先染めした糸を使用することで耐久性が高くなり色褪せも防げます」と高木さん。日本国内で編み機を探してそれらの糸を素材にするまでは、いろいろと苦労もあったようです。

 レースは英国キャサリン妃のウエディングドレスにも採用されたフランスの老舗「ソフィ・アレット(SOPHIE HALLETTE)」と、スイス屈指のエンブロイダリー・レース「ビショッフ(BISCHOFF)」を使用。両ブランドともオートクチュールに使用されている高級なものです。「柄の好みはいろいろだと思いますが、リバーレース(リバー編み機で作られる繊細な高級レース)では『ソフィ・アレット』が一番でした。『ビショッフ』のエンブロイダリー・レースはリバーレースと見分けがつかないほど繊細です。いずれもアウターに使用されるケースが多いのですが『アロマティック』にぴったりだと思いました」。

老舗のノウハウが反映されたメード・イン・ジャパン

 タカギは今年で創業89年。素材開発からパターンまでインナーメーカーとして歩んできたノウハウの蓄積が「アロマティック」のインナーにも生かされています。「日本人に合うパターン作りから仕上げまでメード・イン・ジャパンならではの細やかな気配りをしています。もともとオーダーメードにも対応しているので、製品一枚一枚を長崎の自社工場で仕上げています」。工賃は割高かもしれませんが、素材の調達から生産まで一貫して自社で行っているので、価格は約5000~2万円と、輸入品と比べると控えめ。デビュー時に東京で奈良県の物づくりを発信する展示会に出展したところ、伊勢丹新宿本店から発注があったり、上代で購入し販売している中国・上海の某セレクトショップのバイヤーから取り引きしたいとアプローチがあったりと、高い品質と丁寧な物づくりは確実に評価されています。

毎日香りをまとうように

 「アロマティック」という名前は、毎日香りをまとうようにインナーを着てほしいという思いから付けられたもの。高木さんは、「今まで日本になかった素材、デザイン、仕上がりにまでこだわったインナーです。肌着は一番初めに着けるドレスです。『アロマティック』を通して、日本で新たなインナーウエアの市場を作って行きたい」と言います。2月には松屋銀座本店に「アロマティック」のコーナーがオープンし、19年秋冬には18年に発売し人気が出たブラレットに新機能を加えた新作が登場するそうです。肌ざわりや着心地、ディテールにこだわり抜いた知る人ぞ知るプレミアムインナー「アロマティック」。日々の装いを内側から美しく演出してくれるインナーです。

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