ファッション

インバウンド復調 高島屋大阪店の免税売上高2倍に 百貨店5月度

 百貨店大手5社の5月度は、主にインバウンド(訪日客)の伸長によって4社が前年実績を上回った。三越伊勢丹が0.7%減だった以外は、高島屋が2.7%増、そごう・西武が前年イーブン、大丸松坂屋百貨店が0.8%増、阪急阪神百貨店が5.4%増だった。前年同月に比べて日曜日が1日少ないにも関わらず善戦した。インバウンドによる免税売上高は関西の主要店舗の伸びが目覚ましく、高島屋大阪店は約2倍、阪急うめだ本店が約5割増だった。

 免税売上高は高島屋が71.1%増、大丸松坂屋百貨店が49%増、阪急阪神百貨店が約5割増、三越伊勢丹(国内グループ店舗)が17.5%増と大幅に伸ばした。インバウンドがけん引するかたちで化粧品やラグジュアリーブランドが活発に動き、衣料品の落ち込みをカバーした。

 インバウンド消費は昨年春に中国政府が時計や宝飾など高級品の関税を上げたことで、売れ筋商品が化粧品などの消耗品に移行。客単価の下落で免税売上高が大幅に下がっていたが、それが一巡し、「一昨年のレベルに戻ってきた」(三越伊勢丹)、「高級品の落ち込みを補って余りあるほど消耗品が売れて、過去最高の売り上げ水準になってきた」(高島屋)。特に関西地方はLCC(格安航空会社)の増便で、中国だけでなく東南アジアからの観光客が目に見えて増えている。

 一方、インバウンドの恩恵があまりない衣料品は、総じて苦しい状況が続いている。天候に恵まれたため、ブラウスやスカートなど夏物の動きは活発だったが、全体的な勢いに欠ける。三越伊勢丹の基幹3店舗(伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店)は婦人服が0.9%減、紳士服が7.9%減だった。インバウンドで全体が底上げされた百貨店も衣料品に関しては低調で、高島屋は婦人服が6%減、紳士服が5%減、大丸松坂屋百貨店は婦人服が4.5%減、紳士服が4%減で終わった。

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