新世代シティ・ポップ、Yogee New Wavesが新作に込めた思い

インタビュー

2017/5/21 (SUN) 12:00

 2014年9月に1stアルバム「PARAISO」を発売して以降、若者を中心に多くの支持を集めるバンド、Yogee New Wavesが5月17日、2年8カ月ぶりとなる2ndフルアルバム「WAVES」を発売した。Yogee New Wavesで作詞・作曲を行うボーカルの角舘健悟に、“新作”“メンバーチェンジ”“言葉”についての思いを聞いた。

WWDジャパン(以下、WWD):2年8カ月ぶりに新作「WAVES」が発売されたが、これまでと作る音楽は変化した?

角舘健悟(以下、角舘):変わりましたね。前作も今作も、誰かのために作っているという気持ちは同じですが、前作は僕の友だちだったり、メンバーだったり、近しい人に響けばいいという思いで作っていました。最近は気持ちも変化して、新作はもっといろいろな人たちに向けて届けたいという思いで作りました。

WWD:多くの人に音楽を聞いてもらいたいという気持ちになった?

角舘:そう言うと少し違うんです。「誰にでも」というよりは、僕らと同世代、主に20代の人にしか感じとれないシンパシーを曲に込めました。同世代の若者たちが僕たちの音楽を聞いて、「もっとがんばろう」と思える、そんな刺激になればいいですね。ニューアルバムのタイトルも、これからの時代を作っていく人たちの集合体という意味を込めて「WAVES」とつけました。僕らも25、6歳になって、同世代だと大学を卒業して、就職して独り立ちしていく時期。そんな人たちが、「僕らが次の時代を担っていくんだ」って、共感してくれると嬉しいです。

WWD:今作を出すまでにメンバーチェンジもあったが、心境の変化はあった?

角舘:もちろん。ずっと一緒にやってきたベースの矢澤直樹が今年の1月に脱退して、別れるのはむちゃくちゃ悲しかったです。でも、そこにはちゃんと理由があって、お互いが納得しての別れだった。矢澤がいたことは、しっかりと僕の心の中には残っている。あいつにはかっこ悪いところ見せられないなって気持ちはいつもありますね。あいつががんばっているから、俺らもがんばろうって。矢澤が辞めて新しく加入したギターの竹村郁哉とベースの上野恒星はライブを見ていいなと思って、誘いました。音を合わせてみて、フィーリングも合って加入してもらいました。半年くらいほぼ毎日会っていて、もう兄弟みたいな感じです。

READ MORE 1 / 2 シティ・ポップというカテゴライズについて

WWD:シティ・ポップというカテゴリーでくくられることについてはどう感じている?

角舘:別に意識してはいないですが、シティ・ポップはすごく好きで、尊敬する先輩アーティストに並んで同じカテゴリーで紹介してもらえるのは嬉しいです。個人的にシティ・ポップは都会に対してのニヒリズムが根底にあって、精神性によるカテゴライズではパンクと似ていると思っています。僕も昔はパンク、メロコア、ハードコア、メタルとかめちゃ好きでライブにも行ってました。その流れでパンクバンドもやっていたんですが、ある時「僕にはこれではちゃんと人に“愛”は伝えられないな」と気づいて。だったら、しっかりと言葉を伝えられる音楽をやりたいと思って、それからYogee New Wavesを始めました。

WWD:影響を受けたミュージシャンは?

角舘:人間性が見える人が好きで、若い頃はほぼ日本のミュージシャンしか聞いていなかったですね。ハイスタ(ハイ・スタンダード)、ミッシェル(ザ・ミッシェルガン・エレファント)、フィッシュマンズ、銀杏BOYZは好きでライブもよく行っていました。

WWD:大学で音楽の勉強をしていたとか?

角舘:日芸(日本大学芸術学部)の音楽科に通っていて、そこは何でも自由にできる環境でした。卒業後は大学院にも行ったんですよ。その時は「俺には向かないな」って音楽辞めようかなという気持ちもあって。仕事をしながらでもバンドを続けられればいいと思っていた。でも、「この気持ちのままだと、見に来てくれているお客さんにしっかりと言葉を伝えられない」と思い直し、大学院を中退して、音楽家として生きていく決意をしました。でも、表現は音楽だけにこだわらなくて、今は一番得意な表現が音楽という感じ。今後は別の形での表現もしていくかもしれないです。

READ MORE 2 / 2 嘘のない言葉で思いを伝える

感じることは?

角舘:言葉を理解するというよりは、気持ちいい音を主とするムードミュージックが増えていて、それがすでに飽和してきているなって感じます。Yogee New Wavesの根本は言葉で思いを伝えたいっていうのがあって、ムードミュージックとは違うってことはわかってほしい。

WWD:前作よりも新作では言葉への思いが強くなった?

角舘:どちらも言葉には重点を置いていて、思ったことしか言わないっていうのは変わってないです。でも、新作の方がストレートな言葉を選んでいます。嘘の言葉はつかえないなって思いが強くて、自分の中で消化できている言葉じゃないと歌っていてもなんか偽者っぽくなってしまう。嘘のない言葉は同世代にはきっと響くはずだと信じています。

WWD:年々、ファンも増えているが。今の人気をどう捉えている?

角舘:表面的な部分で、よくSuchmos、ネバヤン(never young beach)、ヨギー(Yogee New Waves)ってブームのようにまとめられることもあるんですが、本質的な部分で歌詞の考え方とかはそれぞれ違うと思っていて。まとめられるのが決して嫌じゃなくて、仲間だと思っているから、めちゃくちゃ嬉しいんですけど。本質的な部分ではちょっと違うよっていうのは言いたい。でも、そこまで求めるのは難しいですよね。1000人いて、10人くらいが分かってくれればいいかなという思いもあります。

WWD:バンドの見え方についてはどう考えている?

角舘:一生懸命生きている若者だなって見え方がいいですね。

WWD:若者から大人になる怖さみたいなものはある?

角舘:ないです。むしろ早く大人になって言いたいことを言いいたいですね(笑)。ただ、若者に愚痴を言うような大人には絶対なりたくない。それだけは嫌だな。

WWD:バンドとしてこれからどんなことをやっていきたい?

角舘:大きな場所でライブして、多くの人とつながっていきたいです。ツイッターでいくらえらそうなこと言ってても仕方ない。空気を震わせて歌で言葉を届けることの方が大事だと思っています。消費されていくのは嫌で、めちゃくちゃ売れたいというのはないですが、僕らが伝えたい音楽の本質に気づいてくれる人が増えると嬉しいです。

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