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RIRI & KEIJUと、世田谷発のカルチャー TOKYO VIEWING vol.5

【プロフィール】RIRI: 1999年生まれ。オルタナティブR&Bシンガー。洋楽好きの母の影響で幼少期からR&Bを聴いて育ち、3歳の頃から歌手になりたいという夢を持っていた。16歳からLAでさまざまなプロデューサーと制作を経験。2018年にファーストアルバム「RIRI」でメジャーデビューを果たす。【プロフィール】KEIJU: 1992年生まれ。世田谷発のヒップホップクルー「KANDYTOWN」に所属するラッパー。16年にYOUNG JUJU名義でソロとして「juzzy 92’」を、17年にKEIJUに名義を変えて「Let Me Know」をリリース。19年5月リリースの「heartbreak e.p.(deluxe edition)」に参加した。 群馬に生まれて上京し世界を目指すRIRIと、東京生まれのKEIJU。時代をけん引する若手アーティスト2人にとっての東京を象徴する場所は、世田谷だという。今年、楽曲「Summertime」を共作した2人が見つめるのは、同じ街の異なる側面だった。 異なる視点が浮き彫りにするのは世田谷という街の多面的な魅力。 RIRIとKEIJUの東京に対する思いは対照的だ。「今は夢に向かってとにかくがんばっていて、私にとってここは戦いの場です。」と意気込むRIRIに対して、東京出身のKEIJUは「僕は、地方から飛行機で戻って、車がレインボーブリッジを越えたあたりで帰ってきたなーって思うし、国道246号から世田谷通りに入ると、ただいまって感じですね」とクールに語りながら、「ここに生まれ育ったからこそ、ヒップホップを始めたとも言えますよね。やっぱり、人も情報も早いから」と続ける。異なる東京観を持つ2人がそれぞれ生活する世田谷は、人の生活のにおいを感じさせながら、日々何かが新しく生まれる場所だ。KEIJUが所属するヒップホップクルー・KANDYTOWNのホームタウンとしても知られていて、そこで生まれ育った彼らの所作には、彼らのカルチャーを感じさせるような力の抜けた上品さがある。今回は、そんな世田谷にあるカフェ「バワリーキッチン」を舞台に話を聞いた。「一時期、KANDYTOWNのミーティングはここでやっていたんですよ。OKAMOTOSのレイジくんに人を紹介してもらったりもして」とKEIJUが話すように、「バワリーキッチン」は人が集い、新たなカルチャーが生まれる空間だ。一方、初めて訪れたRIRIは「私にとってこの街は、まだまだ初めて出合うものだらけ。歩いているだけでも常に刺激があるんです。さまざまな人たちがいて、そこにいる人の人生をなぜかずっと想像してしまうんですよね。その感覚は作品にも反映されています、いろんな人の人生に届く歌が歌いたいんですよね」と、街から得るインスピレーションについて語った。
【CREDITS】RIRI  FACETASM:コート12万円、襟7万8000円、パンツ5万6000円/以上、ファセッタズム(ファセッタズム表参道03-6459-2223)・ 【CREDITS】KEIJU SULVAM:ジャケット8万1000円、シャツ3万8000円、パンツ4万9000円/以上、サルバム(サルバムinfo@sulvam.com)、その他スタイリスト私物
それぞれの歩幅で音楽に向き合うということ。 世田谷を舞台に彼らが身にまとったのは、東京のファッションシーンを体現するブランド。「『クリスチャン ダダ(CHRISTIAN DADA)』の淡い紫のパンツ、普段からはきたいくらい抜群にかっこよかった。『サルバム(SULVAM)』のモードなスタイルは新鮮でしたね。大人の階段、上らせてもらいました(笑)」(KEIJU)、「『テンダーパーソン(TENDER PERSON)』のスカートの黄色がすごく好き。『ファセッタズム(FACETASM)』はインパクトがあって、ジャケットのアシンメトリーな美しさに感動しました」(RIRI)とそれぞれが魅力を語った。RIRIとKEIJUが考える東京的なファッションについて尋ねてみると、「多様で、変わらないものも流行を取り入れることも、どっちもありますよね」(RIRI)、「普遍的なスタイルがベースにあって、そこに何かがミックスされるのが東京っぽいのかな」(KEIJU)と口をそろえる。普遍と変化。それはあらゆるクリエイションの根底にあるものだ。2人のコラボレーション楽曲「Summertime」は、ラッパーとシンガーのリレーというグローバルポップスの普遍的なスタイルを、小袋成彬のディレクションのもとで、彼ららしい独自の情感やサウンドで構築した、今まで誰も聴いたことのないポップス。インタビューの最後に、これからやりたいことを尋ねると、RIRIは「私の夢は『グラミー賞』を取ることなんです。来年はチャレンジの年ですね」とまっすぐに語った。一方でKEIJUは「目の前にある、生きていると実感できることを積み重ねるのが最近の自分の目標の方針になっていて、頭であまり考えすぎないようにしているんです。それは音楽に向き合うときの姿勢でもありますね」と返す。世田谷という街で生きる2人のアーティストは、異なるベクトルと思想を掲げながら、それぞれの歩幅で進んでいく。
【CREDITS】KEIJU DADA:シャツ3万5000円、パンツ3万2000円、シューズ4万9000円/以上、クリスチャン ダダ(クリスチャン ダダ トウキョウ03-6451-1056)【CREDITS】RIRI TENDER PERSON:ベスト2万9000円、スカート9万4000円/以上、テンダーパーソン(テンダーパーソンinfo@tenderperson.com)、シューズ5万2000円/クリスチャン ダダ(クリスチャン ダダ トウキョウ03-6451-1056)/バングル2万8000円/フレーク(フレーク03-5833-0013)、ベルト1万6000円/ディスカバード(ディスカバード03-3463-3082)、その他スタイリスト私物【SHOP INFOMATION】バワリーキッチン 住所:東京都世田谷区駒沢5-18-7 TEL:03-3704-9880 時間:9:00~21:00【STAFF CREDITS】PHOTOGRAPHS:YUTARO TAGAWA(CEKAI)/STYLING:HIROMI NAKAMOTO/HAIR & MAKEUP:ERIKO YAMAGUCHI/ART DIRECTION & DESIGN:YUTA ICHINOSE(CEKAI)/TEXT:TAIYO NAGASHIMA