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2カ月で29万登録者の美容系ユーチューバー和田さん。 目指すは“動画界の美容辞書”

 シャツ姿で髪を結い、視聴者に「お客さま」と語りかける美容系ユーチューバー、和田さん。が注目を集めている。元美容部員の経験をもとにしたメイクアップのハウツー動画で話題となり、宣伝などを行わずしてチャンネル開設からたった2カ月で登録者は25万人を超えた。ユーチューバーやインフルエンサーと呼ばれる人が数多くいる今、なぜ和田さん。はここまで支持を集めたのか。その人気のわけを聞いた。

WWD:これまでの経歴を教えてください。

和田さん。:20歳から美容部員として百貨店で働き始めました。メイクアップ商品やカラーアイテムを扱う国内ブランドを中心に数ブランドで勤め、6年ぐらいです。

WWD:なぜユーチューブを始めたのですか。

和田さん。:販売員として案内していた時は、おすすめできる商品にブランドの縛りがあったため、お客さまの悩みを最後まで解決できてないモヤモヤ感がありました。もっと個人に寄り添いたいと思っていた時に、たまたま一番最後に勤めていたブランドが日本から撤退してしまったんです。SNSやユーチューブみたいな動画が流行っている中で、よりパーソナルな紹介ができたらと思って「Cチャンネル」に入社しました。

WWD:動画制作のスキルはどう身につけましたか。

和田さん。:もとから多くの動画を見る方ではなかったし、動画制作なんてやったことがありませんでした。動画の企画やシナリオ制作がメーンで、編集はチームでやっています。

WWD:現在の登録者の傾向は?

和田さん。:98%が女性で、中でも18~25歳の方が多いですね。

WWD:視聴者が動画に求めているものは?

和田さん。:コスメのレビュー動画ってたくさんアップされているんですが、お客さま(視聴者)はアイテムの使い方の情報を求めていると思います。それなのに実際、自分の悩みや顔に合わせて使ってみるハウツー動画は今まであまりなかったと思います。なりたいニーズや顔の造形はそれぞれなので、「こういう悩みにはアイテムをこう使ったらいいですよ」と個人に寄り添う提案をしています。最初は美容部員の経験からよくある悩みや基礎的なことを発信していましたが、動画に対するコメントが多くなったので、そのコメントに対して答えになる動画もアップしています。

WWD:和田さん。自身がユーチューブを通じて発信したいと考えていることは?

和田さん。:雑誌やテレビで見たきれいな色を、同じように塗ったからといって同じようになれる訳ではないですよね。リアルな悩みを解消できる辞書のような存在になりたいと思っています。実際、アイテムについての質問よりも、眉の描き方のような具体的な悩みが寄せられることの方が多いです。

WWD:コメントで多く寄せられる悩みは?

和田さん。:季節によって起こる悩みが多いです。夏だと崩れない化粧方法、みたいな質問です。また、パーツに関する質問も多いです。一重を生かすには?といったような、個性を生かす質問です。みんながみんな二重ではないし、二重になりたいとも思っていません。自分に合うものを求める傾向はとても強く感じます。

WWD:美容に関する情報は動画で伝えやすいものですか?

和田さん。:動画だと覚えるまで何回も見られたり、見ながらまねて、少し戻ったりできるので価値があると思います。ただし、一方的になるので視聴者の顔も見られないし、評価がわかりにくいという課題もあります。コミュニケーションを取れるようにすることが、続けていく上でも大事かなと思います。

WWD:現在はどのようにコミュニケーションを取っていますか?

和田さん。:ユーチューブ上でのライブ配信を週1で行っています。1時間しか配信しませんが、その間は合計1万人が視聴してくれて、その動画を保存して見れるようにしておいたら、1週間で25万視聴まで伸びました。これも、繰り返し見ているというのがあると思います。配信中はコメントに返答する形でコミュニケーションを取りますが、動画と比べてライブの方がより具体的で、「今すぐ解決したいからすぐ答えてほしい!」というのが多いです。アップした動画のコメント欄には、もっとマニアックでディープな質問が来ますね。今後は直接会えるイベントへの参加も検討したいです。

WWD:インスタグラムでも発信しているが、使い分けはどうしている?

和田さん。:ユーチューブでは幅広い方にアプローチしたいと思っていますが、インスタグラムではコラムっぽい内容を載せていて、フォローしてくれている人に深くアプローチしたいです。また、インスタグラムのフォロワーには主婦の方も多いですね。

WWD:なぜ短期間でチャンネル登録者をここまで増やすことができたと思いますか?

和田さん。:今までのユーチューブは量も多く、いかに早く新鮮な情報をレビューするかが大事だったけれど、私はそういう投稿をしたら見てくれる人は増えないと思っています。今伸びているのは個人の悩みに答える情報が手に入るからで、登録者数の伸びが鈍化したとしても、その要望にはずっと答えていきたいです。

WWD:和田さん。のポリシーはなんでしょうか?

和田さん。:自己流ではなく美容部員として今まで接客してきた経験をもとに、答える時はちゃんと根拠を示すようにしています。あとは、「アイテムがいい=ブランドがいい」ということではないので、ブランドではおすすめしません。そのアイテムが“自分に何をしてくれるのか”が重要で、安いものでもいいし、逆に高くないといけないこともある。もっと自分の顔とかを知ってほしいし、研究する楽しさを知ってほしいんです。アイテムはプラスアルファのものです。

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