フォーカス

「オリバーピープルズ」創設者が新ブランド 「ラグジュアリー・アイウエアを再定義する」

 ロサンゼルスのアイウエアブランド「オリバーピープルズ(OLIVER PEOPLES)」の創設者ラリー・ライト(Larry Leight)は、2015年12月の「オリバーピープルズ」での任期満了を機に、息子のギャレット・ライト(Garrett Leight)とともにアイウエアブランド「ミスター・ライト(MR. LEIGHT)」を今年立ち上げた。「オリバーピープルズ」は1987年の設立で、06年にオークリー(OAKLEY)に買収され、07年にはオークリーがルックスオティカ・グループ(Luxottica Group S.p.A)に買収されたため、現在はルックスオティカ・グループ傘下だ。

 「ラグジュアリー・アイウエアを再定義する」という考えのもと、素材は老舗アセテートメーカーと最高品質のフレームを作る特別レシピを開発したり、純金やチタン、シルバー、ローズゴールドといったメタルも「ミスター・ライト」だけの特別な色や加工で仕上げたりとエクスクルーシブなものを用い、すべて福井県鯖江市の職人の手で作られる。細部まで行き届いた緻密なデザインが特徴で、クラシックな要素やビンテージテイストを加味したファッションアイテムとしてのアイウエアを提案してハリウッドセレブを魅了し続けてきたラリーらしさも宿る。価格帯は5万9000~8万円。

 デビューコレクションの2018年春夏は、ドーバー ストリート マーケット(DOVER STREET MARKET)やバーニーズ ニューヨーク(Barneys New York)、バーグドルフ・グッドマン(Bergdorf Goodman)で扱い、日本ではトゥモローランド(TOMORROWLAND)やグローブスペックス(GLOBE SPECS)、コンティニュエ(Continuer)に並ぶ。日本での輸入・販売はラヴル・ゴールドが行う。「オリバーピープルズ」で成功を収めたラリー・ライトが次に見据えることとは何か。

WWD:「ミスター・ライト」はどのようなブランドになるのか。    

ラリー・ライト:洗練されたスタイリッシュな人なら誰もが欲しがるアイウエアブランドというビジョンを持っている。それは、私が「オリバーピープルズ」を始めた初期の頃のビジョンと似ている。限られた数量で丁寧に生産され、特別な流通経路でしか手に入らない、大切にされるプロダクトをデザインしたい。最も重視しているのは、エクスクルーシブであるということ。また、大企業のガイドラインなどによって制約されない自由なデザインを世に送り出すことも目的としている。私はデザインについていかなる妥協もしたくない。

WWD:ラグジュアリー・アイウエアを再定義するというコンセプトもあるが、“ラグジュアリー”をどういった意味で捉えているか。

ラリー・ライト:私たちは新しく革新的なデザインと高品質な素材との融合を試みている。一瞬で「ミスター・ライト」と分かるオリジナルで卓越したデザイン性と、ラグジュアリーな掛け心地を持つブランドでありたいと考えている。私にとってラグジュアリーとは、限られた一部の人にアピールする「何か」。それは美しいデザインや、高品質な素材、凝ったディテールなどを愛することができるセンスと趣味だと言えるのではないか。

WWD:あなたになくて息子のギャレットにあるものは?

ラリー・ライト:私たちは全く違う世代で、異なる経験をし、そこからそれぞれ異なったものを得ている。ギャレットには「時代」を読む特別な目があると思う。また、既存のやり方にとらわれないマーケティングのアイデアを持っている。私が「オリバーピープルズ」を設立した時にはできなかったようなね。一方で私には、30年間アイウエアをデザインしてきた経験がある。「ミスター・ライト」ではそんな2人の強みを1つのブランドに集約している。私たち2人が関わることで、今を生きる世代の人へ特別なものを届けることができる

WWD:今後のグローバル戦略は?

ラリー・ライト:「オリバーピープルズ」では、小売りと卸し、両方にフォーカスすることで成功を収めてきた。業界のトレードショーであるミド(MIDO) や ビジョン・エクスポ(VISION EXPO EAST)で卸先のカスタマーと交流し、良い関係を築くのは、ビジネスを成長させるために欠かせないこと。小売りは、ショップの雰囲気から、商品、カスタマーサービスまで、ブランド・エクスペリエンスの全てをコントロールできる。それは素晴らしいことだ。私たちはセレクトショップも大切にしている。彼らは優れた商品を求める人に情報を提供することができるから。また、彼らは口コミで私たちについての情報を広めてくれる。世界の中で特に日本は、国外からの影響に敏感で、カリフォルニアのファッションに対しても影響力があるように感じる。いつか日本で「ミスター・ライト」の世界観を完全に伝えられるブティックができたら素敵だと思う。ただ、ゴールの一つではあるが今現在では最優先事項ではない。

WWD:アイウエア業界の未来はどうなると思うか。    

ラリー・ライト:もう私たちは未来に到達していると考える。デジタル時代が到来してライフスタイルのペースが速くなり、アイウエア業界がすでに変化しているのを体験しているから。私たちはSNSやeコマースなどでブランドメッセージを伝えたり、ブランドのDNAをお客さまや卸先に伝える努力をしている。そしてお客さまたちも簡単にブランドからのメッセージにアクセスすることができる。ターゲットマーケットにダイレクトにストーリーを語ることができる時代になった。もちろん伝統的なPRの手法や、雑誌などの従来のメディアも大切にしているが、デジタルマーケティングの重要さも理解している。40年前にはこんな風にブランドストーリーを伝えられる機会がなかった。私はコンデナスト社に行き、編集者にブランドの話をし、彼らが解釈したことをどう読者に伝えるか、その結果を待つだけだった。今は、新時代のテクノロジーを使ってカスタマーと直接コミュニケーションができ、私たちの古き良き時代のデザイン哲学を伝えることができる。透明性があるし、即時性もある。ワクワクするよね。