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レスリー・キーらが語る「ヨウジヤマモト」写真展の裏側

 「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」は、ブランド初のシンガポールを舞台にした写真展「シンガプーラ(SINGAPURA)」を青山本店で2月13日まで開催中だ。シンガポール政府観光局が支援している同写真展は、レスリー・キー(Leslie Kee)が撮影を担当。観光都市として発展し、伝統と未来が入り混じったシンガポールの街並みを背景に、「ヨウジヤマモト」2018年春夏コレクションを身にまとった4人の男性が映し出されている。

 「シンガポールが建国されてから52年。一方で『ヨウジヤマモト』は46年。場所は違えどどちらも同じような景色を見てきたはず。今回の写真展は年の近い2人の“お見合い”のようなもの」とレスリーは語る。両者の“お見合い”により実現した写真で意識されているのは「平和」だ。「『ヨウジ』の18年春夏コレクションのテーマは“仏教”や“リンカネーション(輪廻転生)”という、強いテーマだった。シンガポールは仏教、ヒンドゥー教、イスラム教、キリスト教というさまざまな宗教が入り混じった国。国籍の違う4人の男性を使用し、撮影することで“平和”を示した」と写真について説明する。

 「今回の写真を見た時、2つの言葉が浮かんだ。それは“未来”と“ハーモニー”だ」。そう語るのはチャン・チーペイ(Chang Chee Pey)=シンガポール政府観光局副長官だ。「レスリーはシンガポールの街をキャンバスに見立て、作品を作ってくれた。観光地としても有名なインフィニティープールなどの未来的な土地、そしてカンポン・グラムなどの伝統的な土地、双方と『ヨウジヤマモト』の服が調和し、シンガポールの新旧両方を見せれくれる写真だ」と感想を述べる。

 また、レスリーは「ヨウジヤマモト」というブランドについて「言葉で表すのは難しいが、黒い宇宙の中で美しい黒い光が人を差しているイメージ。それをどう表現するのか、常に考えながら写真を撮り続けている」と語る。チャン副長官は「エッジが効いていて、リスクを取ることをいとわないブランド。未来を見据えているが、職人気質を失わない。シンガポールには“Passion Made Possible(情熱が可能にする)”というスローガンがあり、それを体現しているレスリーさんの写真と『ヨウジヤマモト』の服は非常にマッチしている」と分析する。

 シンガポール政府観光局は、17年に俳優の斎藤工を観光大使に任命するなど、日本の若年層へのアプローチを強めている。今回の写真展もその一環と言えるだろう。「旅行は頻繁に行うものではないが、服を着るのは日常的なこと。昨年、プラナカンという様式を日本に紹介したら非常に反響があったり、シンガポール発のスイーツ店『ジャニス・ウォン(JANICE WONG)』が日本で成功したりと、シンガポールの文化が日本でも受け入れられていると感じる。今回の写真展を見て、『ヨウジヤマモト』の服を着てシンガポールに行ってみたい、と日本の方々が思ってくれたら嬉しい」。