開放感があるウッドデッキが印象的な「ピルグリム サーフ+サプライ」
2016年に創業40周年を迎えるビームスが、創業の地である原宿エリアと、お膝元で旗艦店を展開する渋谷エリアの店舗を再編している。改めて、原宿を「ビームス(BEAMS)」「ビームスF(BEAMS F)」「ビームス ボーイ(BEAMS BOY)」「ビームス プラス(BEAMS PLUS)」など単一レーベルの色を打ち出す旗艦店、渋谷は地方などでも展開する複合業態の旗艦店として位置付けを明確化した。
内装を一新した「ビームス ボーイ 原宿」。以前と同じ商品構成で、大人のスタイリングを打ち出す
昨年3月にメンズカジュアルの「ビームス」の拠点である「ビームス 原宿」1階を、シーズンテーマを数カ月単位で鮮明に打ち出すポップアップストア型店舗に転換。第1弾として米ブルックリンのサーフショップ「ピルグリム サーフ+サプライ(PILGRIM SURF+SUPPLY)(以下、「ピルグリム」)」の“レジデンスストア”としてお披露目した。
「ビームス ボーイ 原宿」も、これまでのウッド調の内装とボーイッシュなスタイリングを一新し、白を基調にしたスタイリッシュなショップで、成熟した大人の女性にも選ばれるようなコーディネート提案などを始めている。今年10月には、渋谷・神南の「ビームス タイム(BEAMS TIME)」跡地に「ピルグリム」日本1号店、同ビル2階にウィメンズ複合の新業態「ビームス ウィメン 渋谷(BEAMS WOMEN SHIBUYA)」をオープンしている。これに伴い、タイムの斜め前にあった「ビームス渋谷」は、「ビームス メン 渋谷(BEAMS MEN SHIBUYA)」に改称。「ビームスT(BEAMS T)」を移設し、メンズカジュアルの館として完結させた。
今春の組織改編に伴い、主要業態を一手に統括することになった豊永信一郎ビームス執行役員第1事業本部長は、「モノや情報が溢れる中で、商品情報だけが独り歩きするような状態になっていると感じていた。モノを売るだけでなく、改めてビームスが大切にするモノへの思い入れや、カルチャーや背景をリアル店舗できちんと見せ、こだわりを伝える場にする必要があると考えた」と一連の施策の背景を説明する。
「ビームス 原宿」1階のポップアップスペース化では、「ピルグリム」に続き、1990年代にフォーカスした「ハイ&キックス(HIGH & KICKS)」、ユニフォームをテーマにした「THE PX」などを展開。今季は9月18日から古着を集めた「フィッティングクラブ(FITTING CLUB)」として営業している。従来からのビームスファンだけでなく、若年層も取り込むテーマ設定や、打ち出しが功を奏し、来客は増え続けている。インバウンドなど、海外客の視察や購入も増加している。「集客方法はまだ模索中だが、シーズンに1〜2回だったお客さまの来店頻度が高まっている」と手応えを語る。
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豊永信一郎ビームス執行役員第1事業本部長
「ピルグリム」は、海外ストアとのライセンス事業という新たな挑戦だ。「レジデンスストアとして展開した際から評判は良かったが、サーフカルチャーを軸にした業態が増えていたため、常設店化をするかはギリギリまで検討した。その中で、『ピルグリム』やオーナーが持つ審美眼やこだわりなどがとても似ていたことや、ビームスがもともとアウトドアやサーフカルチャーを大切にしていたことから、『ピルグリム』は、われわれのこだわりやカルチャーを表現するのに最適なものだと判断した」と豊永執行役員。さらに、「共感した人を通じて広がっていく“コミュニティー”を醸成する場としても期待」しており、ワークショップやアウトドア施策も積極的に企画していく考えだ。商品は、本国からの仕入れに加え、カジュアル部門のバイヤーがバイイングに携わり、実験的な品ぞろえにも挑戦する。また、オリジナル商品の開発に関しては互いの生産背景や得意分野を持ち寄っており、日本で企画・生産した一部アイテムは本国のショップに卸売りしている。
「ビームス ウィメン 渋谷」は、東京らしいミックススタイルをキーワードに、モードやストリートなどの要素を融合。新ライン「RBS」を打ち出すコーナーも構える
10月23日にオープンした「ビームス ウィメン 渋谷」は、ウィメンズカジュアル業態の「レイ ビームス(RAY BEAMS)」「ビームス ボーイ」の複合業態というだけではない。濱中鮎子「レイ ビームス」ディレクターを筆頭に、男性色が強いビームスで史上初の“女性だけで作り上げたショップ”だ。豊永執行役員は、「従来のビームスにはなかった、ゆったりとスペースを使ったシックな空間で、モノを見せることに重点を置いたショップに仕上がった」と話す。「ピルグリム」「ビームス ウィメン」ともに、課題は「認知度の向上だ」。
ビームスでは今年3月から事業部制を採用し、部門ごとの意思決定のスピードアップを図っている。「小売店として、ショップは表現の場として守るべき。ビームスの世界観を発信するこれらのショップに足を運んでいただき、モノとそのカルチャーに触れてもらえたら。来年の創業40周年に向けて、新たな動きにも期待していてほしい」。
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