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創業150周年!プランタン“渾身”のリニューアル大作戦

創業150周年を迎えるプランタン

 プランタン(Printemps)百貨店(以下、プランタン)は、おそらく世界で最も古く、最も名高い百貨店の一つだ。だがパオロ・デ・チェーザレ(Paolo De Cesare)最高経営責任者(CEO)は過去の名声を振り返るつもりなど全くない。彼は2007年の就任以来、プランタンをリテールシーンで、さらに大きく、よりインターナショナルなプレーヤーにするべくさまざまな計画を始動させてきた。1865年の創業から150年の節目を迎えて、大躍進を図る同CEOの“野望”を聞いた。

 イタリア出身のパオロ・デ・チェーザレCEOが就任したのは2007年で、ケリングがプランタンをイタリアのボルレッティ・グループに売却した後だった。同百貨店は13年に再び売却され、現在のオーナーはシャイフ・ハマド・ビン・カリファ・アル・ターニ元カタール首長が率いる投資ファンド、ディヴァイン・インヴェストメント(拠点ルクセンブルク)だ。同氏はロンドンのハロッズ百貨店や「ヴァレンティノ(VALENTINO)」のオーナーでもある。

 デ・チェーザレCEOは、「プランタン」という店名に込められたジュール・ジャルーゾ創業者の思いを受け継ぐのがミッションだと語る。「彼は新しいもの、フレッシュで面白いもの全てを販売したいと考えていていた。だから、私たちは初心に立ち返って、彼の遺志を実現させなければならない」と同CEO。

 プランタンは創業150周年を祝うにあたり、フランス語の文字通り「春(プランタン)」をテーマにした。スタートは日本人アーティストの吉井宏による「ローズ」と名付けたマスコット。1年にわたる祝賀行事は3月20日にキックオフし、店舗の正面はプランタンのシグニチャーピンクに彩られバラ、桜、アジサイなど約5500本の造花で飾られた。

32年ぶりだった新規出店

 プランタンは売上高を公表していないが、同CEOは14年度は2ケタ増だったという。13年度は3.9%増だった。昨年、同社は32年ぶりに新店舗をオープンした。ルーヴル美術館に隣接するショッピングモール、カルーゼル・デュ・ルーヴル内、続いてマルセイユに新店を構えた。

 「現在の経済状況にもかかわらず、われわれのビジネスは非常に好調だ。14年度は記録的な好業績をあげ、4月1日に始まった15年度も極めて好調なスタートを切った。フランス経済は相変わらず低調で、国内消費も振るわない。だが一方でアジア、南米、米国、中東など海外に目を向けると、どこも2ケタ成長を続けている。過去数年の努力のおかげで、プランタンは海外の洗練された顧客に“最も行きたい百貨店”と認知されたと思う」。

 同CEOの推測によると、観光客の半数は大中華圏からで、プランタンの売上高の40〜45%を占めているという。「2月にユーロ安が始まってから、売上高の伸びはさらに加速した」。ルーヴル店は、初年度売上高目標の2000万ユーロ(約27億円)を軽くクリアし、3000万ユーロ(約40億5000万円)を売り上げたという。

 プランタンは、08年から13年にかけて約3億ユーロ(約405億円)を店舗のアップグレードに投資してきた。今後19年までにも同規模の額を費やす計画だ。「われわれのターゲットは年間売上高20億ユーロ(約2700億円)。それに向けて全てがプランニングされている」とデ・チェーザレCEOは豪語する。

 「多くのリテーラーが、半年ないし1年でリポジショニングを行うなどといっているのを聞くと、思わず笑ってしまう。われわれのプロジェクトは、大規模な革新なのだよ」。

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