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“小売りの神様” J.クルーのドレクスラー会長兼CEOが退任

 J.クルー(J.CREW)のミラード・“ミッキー”・ドレクスラー(Millard “Mickey” Drexler)会長兼最高経営責任者(CEO)が、7月中旬でのCEO退任を表明した。後任は、ジェームス・ブレット(James Brett)=ウエストエルム(WEST ELM)社長。ブレット新CEOは取締役会にも加わる。ドレクスラー会長兼CEOは会長に留まる。

 ドレクスラー会長兼CEOは、「J.クルーに入社して14年が経ち、次に進むときが来たと感じた。取締役会には1年前に退任し、会長に専念する意向を伝えた」と述べ、退任は自身の意向であることを強調した。ドレクスラー会長兼CEOは1億ドル(約110億円)を同社に投資しており、株式の10%を保有している。

 現在の心境について、「今はリラックスした気分でいる。(他社も含め)37年間にわたって会社を経営してきたが、今日の発表は私の人生の大きな転機になる。私は会社の位置付けや戦略計画、多くの人々に愛されている『J.クルー』と『メイドウェル(MADEWELL)』の今後に興奮している」と期待を語った。

 さらに、ブレット新CEOについて、「ジェームスはイノベーションを推進し、オムニチャネルブランドを育ててきたという確かな実績がある。25年にわたる小売り業界での経験があり、『アーバン アウトフィッターズ(URBAN OUTFITTERS)』『アンソロポロジー(ANTHROPOLOGIE)』では、さまざまなポジションでリーダーシップを発揮してきた。彼は商人であり、ブランドビジネスを熟知している。さらにデザインが好きで、カスタマーに寄り添うことができる人間だ。これらは強力なリーダーになる4つの重要な要素となる」と称賛した。

 72歳のドレクスラー会長兼CEOは、2003年1月に会長兼CEOとして同社に入社。06年にはカジュアル主体の姉妹ブランド「メイドウェル」を創設した。カタログ通販メーンのプレッピーなブランドだった「J.クルー」を、数年で国際的に認知されるマルチチャネルでアフォーダブル・ラグジュアリーなブランドに転換した。また、1987~95年にはギャップ(GAP)の社長を務め、同社の売り上げを4億ドル(約440億円)から140億ドル(約1兆5400億円)に成長させた経験を持つ。

 一方のブレット新CEOは就任について、「J.クルーは、私たちの生活の中で重要な役割を果たす素晴らしいチャンスを持っている。次なる成長のフェーズでチームを率いることを楽しみにしている」と喜びのコメントを寄せた。

 金融関係者によると、ブレット新CEOは、ウィリアムズ・ソノマ(WILLIAMS-SONOMA)の家具・インテリア事業、ウエストエルムの売り上げを2億5000万ドル(約275億円)から約10億ドル(約1100億円)に拡大したと推定される。48歳のブレット新CEOは過去にJ.C.ペニー(J.C. PENNY)やメイ・デパートメントストア(MAY DEPARTMENT STORES)にも在籍していた。

 苦境にあえぐJ.クルーは現在、15億ドル(約1650億円)の負債を抱えている。16年1月通期決算の売上高は前年比3.2%減の24億ドル(約2640億円)だった。なお4月には、ジェナ・ライオンズ(Jenna Lyons)社長兼クリエイティブ・ディレクターの退任を発表したばかりだ。

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