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小寺智子のジュエリーが日本人初のグランプリを受賞 ベルギー王国大使館で凱旋展を開催

 柏圭(カシケイ)のジュエリーデザイナー、小寺智子がベルギー・アントワープで開催されたHRDアワード 2015 インターナショナルダイヤモンドジュエリー デザインコンペティションで日本人初のグランプリを受賞し、11月2日に受賞作品を披露する凱旋展をベルギー王国大使館で開催した。同コンペティションは、ベルギーのダイヤモンド関連団体を代表する非営利団体HRDアントワープが主催し、15年で16回目を迎える。

 今回披露した作品は、世界中を巡回しているグランプリ受賞“もみ殻(RICE HUSKS)”と入選作品“お花見弁当”をベルギー王国大使館協力のもと、特別に一時帰朝させたものだ。凱旋展では “もみ殻”をドレスに着けたモデルが登場し、さらにはリングの上に乗っている弁当箱の中を開くと、ダイヤモンドやプラチナで出来たおにぎりやウインナー、たまご、レンコンなどの食材が出てくる“お花見弁当”を披露した。

 受賞後のインタビューで小寺智子は「コンペティションのテーマが、イタリア・ミラノで開催されたミラノ国際博覧会の全体テーマである『食』だった。最初に“お花見弁当”を作ったところで、『あの“もみ殻”もあるんじゃない?』と言われた。それはかつて学生時代に考え一度制作したもので、当初、『食』のテーマには合わないのではないかと思ったが、今のスタッフ、環境なら改めてチャレンジできるのではないかと思った。大切にし過ぎて、しまっておきたかった気持ちに、まわりが後押しをしてくれた」と小寺。制作には、実際のもみ殻から形がきれいなものを23種類集め、それをもとに400粒のもみ殻を18金のゴールドとダイヤモンドで作り上げた。その一粒一粒をセーターやコートなどに引っ掛けて着けるジュエリーだ。ひとつひとつ返しを付けているので、簡単には取れないようになっている。「もみ殻自体が、意識的につけるのではなく、気づいたら身体についてしまったというもの。言葉にすると難しくて哲学的になってしまうが、意識的に着けるような型にはまったものではないものの、奥深さや美しさを表現したかった。この賞をもらったことで、自信を持っていいよ、もっとがんばってと励ましてもらえている気がする。だからこそ、これからも、いろんなことに挑戦したい」と語った。

 HRD アワード 2015 国際審査員のヴェーレ・ヴァン・ビルダーは、「小寺智子さんは単なる紙の上のジュエリーデザイナーではない。実際に制作された作品を見れば、彼女が材料に関してきわめて鋭い感度をもっていることがよくわかる。彼女はゴールドが単なる物質から魂をもつ存在へと変わり得ることを知っていると同時に、“もみ殻”を制作した金細工職人もまた、彼女の意図を理解し、素晴らしい仕事をしている。このジュエリーは見てすぐにそれとわかる形をしていない。ブローチでもなければ、ペンダントでもない。指輪でもない。身につけ方という点において、小寺さんは大胆にオリジナリティーを追求した。これは、さまざまな方法で装うことのできるジュエリーだ」と評した。

 小寺智子は、京都芸術短期大学日本画科を卒業後、テキスタイルデザイナーになるが、ピアスの穴を開けたことをきっかけにジュエリーデザイナーを目指す。1990年にヒコ・みづのジュエリーカレッジを卒業後、柏圭に入社。96年からTOMOKO KODERA コレクションをスタート。これまで、プラチナデザインオブザイヤー1996プロダクト賞、JJAジュエリーデザインアワード2004グランプリ、05年にはJJA ジュエリーデザインアワードで日本ジュエリー協会会長賞とプラチナギルドインターナショナル賞を受賞した。

 創業1928年の柏圭は、ダイヤモンドの輸入卸、自社による宝飾品の開発、製造、卸、小売り、さらに海外ブランド輸入代理店業を行っており、ドイツのジュエラー「ニーシング」も展開している他、小寺智子のショップ「TOMOKO KODERA CONCEPT SHOP」を今年3月に東京・南青山の骨董通りにオープンしている。今回の受賞を記念し、同ショップで11月5~7日まで“もみ殻”を展示する。