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「WWDジャパン」が考察する2014年春夏「東京コレクション」 パート2

 東京デザイナーの意欲的なクリエイションは、新ラインの発表や外部のマーチャンダイザーを導入したことを見ても、強く感じさせる。「アツシ ナカシマ(ATSUSHI NAKASHIMA)」は、グラフィカルなプリントドレスや立体的なディテールを採用したウィメンズウエアを打ち出す一方、新たにメンズラインを提案。「メンズウエアの要望が多くあり、ようやく実現できた。東京というマーケットは、若い男性に旺盛な消費力があるので、Tシャツやハーフパンツ、ジャケットなどを発表した」とデザイナーの中島篤。色鮮やかなパターンで少しだけストリート感を取り入れ、1万円以下でTシャツを揃えるなど、買いやすい価格帯で訴求している。また、「エーディグリーファーレンハイト(A DEGREE FAHRENHEIT)」も本格的にメンズラインを発表し、シャープなブロードシャツとトレンチコートを並べている。ウィメンズウエアの展開が軌道に乗り、メンズを制作する余裕が出てきているようだ。「ブランドを広げるためには、メンズが不可欠だと思った。シャツをトレンチコートで構成したが、手応えがあれば、随時アイテム数を拡大したい」とデザイナーの天津憂は語る。

 外部のマーチャンダイザーを起用し、ディテールの”引き算”や着やすさに重点を置いたのは「ヤストシ エズミ(Yasutoshi Ezumi)」だ。コレクションを見ると、得意のニットウエアに加え、布帛ドレスの完成度を高めている。ル・コルビュジェの建築物から影響を受けた内容は、ホワイトやマゼンダの色彩を使ったドレスが中心。シンプルなドレスへ被せるように重ねたアシンメトリーな生地使い、ミドルゲージのプルオーバーニットは構築的な仕上がり。アクセントには、固い質感のピッグスキンを使い、格子状のパンチング加工を施している。一方で、布帛のライダースジャケットやバイカラーのカーディガン、格子状のジャカードで制作したドレスなど、リアル感のあるアイテムも発表した。デザイナーの江角泰俊は「男性的な目線だけでは、女性が求める着心地や素材感など、わからないことも多い。今季はバイヤーの買い付けも好調だ」と語る。有機的な建築にアプローチを求めたが、コレクション自体はモダンで着やすいものが増えている。マゼンダは、コルビュジェが好んで使った色であり、近代建築の合理性といったマインドは、チャンキーヒールの立体シューズなどで表現。難解なテーマをモダンに解釈した点では、デザイナーの成長を感じさせる内容だ。

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