化粧品を作り、売る。各社はその第一義的な役割を超え、自社の資産を使った活動により、社会との接点を広げている。地域との共創、インクルーシブな美容提案、無意識の偏見への気付きの提供、顧客参加型の子ども支援。業界の枠を超えたつながりや、そこで得た知見は、製品だけでは伝えきれない企業・ブランドの価値として積み重なっていく。(この記事は「WWDJAPAN」2026年5月25日号付録「WWDBEAUTY」からの抜粋に加筆しています)
製品を届けるだけではないBtoB事業の役割
POINT
記憶が信頼や安心感につながる
ポーラ(POLA)は、独自価値の1つであるアートをテーマに能登半島地震で被災した宿泊施設を支援するプロジェクト「POLA TRAVEL LETTER」を1月に始動した。主体となるのは、ホテルや旅館、温浴施設向けにアメニティーや業務用化粧品を展開するBtoB事業部だ。全国約1万4000施設と接点を持つ同事業部が取り組むのは、製品を届ける支援ではなく、地元のアーティストとつながり地域の魅力を発信する支援だ。「能登は、事業を始めた当初からお世話になってきた大切な地域。震災後、製品支援は行っていたが、ポーラらしく何ができるのかを考えた」と森義久ポーラBtoB事業部西日本営業所マネージャーは話す。取引先だった施設の多くが被災し、休業を余儀なくされた。復旧が進み、一部客室だけで営業を再開する施設もあるが、「世の中から能登の記憶が薄れつつある」という危機感もあった。
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