京都・両足院は5月29日〜7月12日、テキスタイルアーティスト、メイ・エンゲルギール(Mae Engelgeer)による企画展“UTSUROI HYMN(うつろいの讃歌)”を開催する。
作品と自然が対話するような体験を促す展覧会
オランダ出身で現在は京都を拠点に制作するエンゲルギールは、主に江戸時代にまで遡る両足院の古布を素材に、“うつろい”という日本的な概念を表現した作品群を発表する。同寺院の歴史的アーカイブには法要などの仏事や寺院空間の装飾に使われてきた布地、僧侶たちがまとう袈裟、地域の人々から奉納された生地など多種多様な織物が残されており、今回はそれらの一部をエンゲルギールに託した。
エンゲルギールは布を裁断し、重ね合わせて再構成することでテキスタイルに抒情性を織り込んだ。生地の褪色や劣化、補修の痕跡といった時間の堆積もさりげなく強調している。屏風作品では、使い込まれた袈裟の幾何学模様に絹や麻のテクスチャーを重ね、色彩と構造が織りなす瞑想的な空間を生み出した。また、かつてさまざまな布を保管していた"たとう紙"の形状をしたオブジェも展示し、古布を再構築して内から外へという素材の循環を示唆するコンセプチュアルなインスタレーションとし提案する。
幻想的な風景やティーセッションなどを用意
展示は両足院の方丈および書院で展開する。会期中、書院の前庭では池のほとりに群生する半夏生の葉の一部が白くなり、観音様にも例えられる幻想的な風景を楽しめる。半夏生は雑節のひとつで夏至から数え11日目を指し、今年は7月2日になる。
さらに、庭園内にある大村梅軒好みの茶室「臨池亭」で両足院主催による少数人でのティーセッションを開催する。展覧会作品を鑑賞しながら、通常は非公開の茶室でお茶を楽しめる。日時、申し込み方法はインスタグラム等で告知予定だ。ほかにも、禅寺の朝におりんの澄んだ響きを全身で感じられるサウンドメディテーションや、書写と坐禅を組み合わせたセルフ坐禅のプログラムを随時行う。日程、予約はウエブサイトで確認できる。
◾️展覧会概要
会期:5月29日〜7月12日
時間:12:00〜16:30(最終入場は16:00)
場所:両足院
住所:京都市東⼭区⼤和⼤路通四条下る4丁⽬⼩松町591
特別拝観料:1000円、高校生以下500円、団体900円(20人以上)
※現金のみ