北海道発の冬季限定スイーツ「スノー(SNOWS)」などのスイーツブランドを展開するCOCは、自家製生バターを使用した、口の中でとろけるようなお菓子の専門店「フォンダン(FONDAN)」を立ち上げ、11月19日に大丸東京店をオープンした。ブランド名は、フランス語で“溶ける”を意味する“fondant”に由来する造語。「とろける新体験」をコンセプトに、2種の製品を取り扱う。
生バターとは
生バターとは、精製のための熱処理を受けていないクリームのみから作ったバターのこと。一般的に流通しているフランスでは非加熱で製造されるが、日本では安全のため加熱殺菌が義務付けられている。今回、北海道コンフェクトグループが開発した生バターは、牛乳にできるだけ手を加えず最低限の熱処理だけを施し、繊細な風味を守った独自の生バターだ。口当たりはすっきりとしており、後からじんわりと濃厚さが広がるのが特徴。食後にもコクの余韻が長く続き、一般的なバターや発酵バターとは全く異なる個性を持つ。「放牧牛乳からお菓子までを一貫して製造している私たちなら、生バターの味わいを最大限に生かしたお菓子を作れるのではないか」(長沼真太郎・北海道コンフェクトグループ社長)という思いが、「フォンダン」誕生の出発点となった。
こだわりの2製品でスタート
“フォンダンサンド”(5個入り、1350円/10個入り、2646円)は、芳醇なバターの香りとカリッとした食感が特徴の薄いラングドシャで、とろける生キャラメルを挟んだ。炊き上げたキャラメルの余熱で自家製生バターをそっと溶かし込むことで、深いコクの余韻が広がる味わいに仕上げた。
“フォンダンガレット”(4個入り、1458円)は、ざくっ、ほろっと香ばしいガレットに、自家製生バターを溶かし込んだフォンダン(グラサージュ)をのせた。グラサージュには通常油分を入れないが、生バターを加えることでとろける食感を実現。どちらの製品も、生バターの投入タイミングや焼き上がりの温度など、約1年にわたり試作・検証を重ね、生バターならではの香りと味わいが引き立つように開発した。
バター色の店舗をオープン
ブランドカラーには、バターを想起する柔らかな黄色を採用した。店舗も同じく黄色を基調とし、シンプルで洗練された内装の中に“フォンダンサンド”のオブジェを配置することで遊び心を加えた。
今後の出店計画について長沼社長は、「まずは1店舗目に集中する。拡大するとしても基本的には東京や関東圏で数店舗と考えており、『ラーメンクラブ(RAMEN CLUB)』に続き当社第2弾となる東京発のスイーツブランドとして大事に育てていく」と話した。今後も新製品の開発を予定しているが、年内は2製品のみの展開となる。
北海道コンフェクトグループについて
北海道コンフェクトグループは、「おいしいお菓子で世界を切り拓く」をテーマに、和洋菓子ブランドの企画・開発・製造・販売からお菓子作りに必要な原材料である牛乳や卵の生産までも手掛ける7社の企業を保有するホールディングスカンパニー。1983年に札幌で誕生した洋菓子店「きのとや」をルーツとし、生ケーキのノウハウを生かしながらスイーツを開発。「いわゆる“流通菓子”とは一線を画したおいしさを届ける」(長沼社長)としている。

「フォンダン」を展開するCOCは、同グループ傘下で北海道の豊かな自然の恵みを生かしたスイーツの企画・開発・販売を手掛けている。環境再生型農業の考えに基づいた自社牧場での放牧酪農や平飼い養鶏など、素材にこだわった製品作りを追求し、「スノー」「チーズワンダー(CHEESE WONDER)」「ラーメンクラブ」などのスイーツブランドを展開する。
■FONDAN 大丸東京店
オープン日:11月19日
時間:10:00〜20:00
定休日:1月1〜2日
場所:大丸東京店 1階
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1