米コスメブランド「グロシエ(GLOSSIER)」はこのほど、新たな最高経営責任者(CEO)としてコリン・ウォルシュ(Colin Walsh)氏を任命した。10月6日付で着任する。6月に年内の退任を発表していたカイル・リーヒー(Kyle Leahy)CEOの後任となる。なお、ウォルシュ新CEOも同月、プロクター・アンド・ギャンブル(PROCTER & GAMBLE、以下P&G)のスペシャルティ・ビューティ部門CEOを8月に退任することを明らかにしていた。
「グロシエ」のエミリー・ワイス(Emily Weiss)創業者兼エグゼクティブ・チェアウーマン はメールインタビューで、「コリンが『グロシエ』に新CEOとして加わることに胸を躍らせている。彼はビューティ業界で最も優れたCEOの1人であり、ブランドの成長と育成において豊富な経験を持つ。彼こそ『グロシエ』を次の章へ導く理想的なリーダーだ」とコメントした。
ウォルシュ新CEOは過去にも複数のブランドでトップを務めており、美容師であり起業家のジェン・アトキン(Jen Atkin)が立ち上げたプレミアムヘアケアブランド「ウェイ(OUAI)」では、2021年のP&Gによる買収前後の時期にCEOに就いていた。今後のブランド戦略については構想段階だが、「『グロシエ』に長い間心を引かれてきた。業界にいる誰もがそのパワーとマジックを知っているはずだ。『グロシエ』はこの10年間で成長を続け、過去から現在に至るまで素晴らしいチームが息を吹き込んできた。チームに加わるには、今何が必要かに耳を傾けなければならない。ビューティ市場が進化し競争環境が激化する中で、常に傾聴する姿勢が求められる」と述べた。
また、チャネルやカテゴリー、ディストリビューションなどのビジネス上の戦術的な要素については「ブランドの目的や顧客との関係、そして人々が愛する製品であるという信念に基づく明確なビジョンがあってこそ成立する」と強調。「このブランドは顧客の声を基に、エミリーや美容ブログ『イントゥ・ザ・グロス』から生まれたDNAを持っている。だからこそ、私の聞き取りの仕事の大部分は社外に向けられるだろう」と続けた。さらに製品に関しては「全カテゴリーを網羅する必要はないが、多くのカテゴリーに進出できる機会と可能性がある」とコメントした。
「グロシエ」は14年に美容ブログ「イントゥ・ザ・グロス」を基盤に創設。創業期にビューティ業界で最も影響力のあるD2Cブランドの一つとして急成長を遂げ、23年には化粧品チェーンのセフォラ(SEPHORA)に進出した。フレグランスなどサブカテゴリーにも製品展開を拡大し、セフォラを通じてフランスなど主要な海外市場へも進出している。