ファッション

国連エシカル・ファッション・イニシアティブが展覧会を実施 「テゲ ユナイテッドアローズ」「ステラ・ジャン」のウエアも展示

 国連ITCの「エシカル・ファッション・イニシアティブ」(以下、EFI)は12月14日まで、東京・新丸ビル7階のマルノウチハウスで、活動内容を発表する展覧会を開催している。「EFI」が支援する発展途上国の職人を被写体とした写真展をはじめ、ユナイテッドアローズと「EFI」のコラボレーベル「テゲ ユナイテッドアローズ(TEGE UNITED ARROWS)」(以下、テゲ)や「EFI」と協業しているイタリアブランド「ステラ・ジャン(STELLA JEAN)」のウエアを展示している。11日には、栗野宏文ユナイテッドアローズクリエイティブディレクション担当 上級顧問と、デザイナーのステラ・ジャン、ITCのシモーネ・チプリアーニ「EFI」チーフ・テクニカル・アドバイザーとアランチャ・ゴンザレスITC事務局長がトークセッションを行った。

 セッションでは、まずシモーネとアランチャが「EFI」について説明。「EFI」は「Not Charity, Just Work チャリティーではなく、仕事です」をコンセプトに、世界の貧困地域に住む職人に生地製作やビーズ加工などの雇用を創出する取り組みだ。アフリカ、ハイチ、パレスチナでの活動では、約7000人(うち、95%が女性)に職を提供し、所得を800%上昇させた。80%以上の労働者が住居を手に入れたり、子どもを学校に通わせることができるようになったりするなど、生活環境を改善させることができたという。ステラは「『EFI』とコラボする商品の美しさはもちろん、先進国のデザイナーや企業と発展途上国の職人が協力し合うことに意義を感じている」と述べ、栗野クリエイティブ・ディレクターは「2年前に『EFI』を知り、『テゲ』の立ち上げに際して、アフリカにも出向いている。チャリティーというより、『世界中の面白いモノを紹介する』という洋服屋としてやりたいことを実現した。『テゲ』の服は、途上国のブルキナファソで電気を使わずに手織りした美しい生地を日本で縫製している。ただ服を買うだけでない、新しい満足感を提供したい」と思いを語った。「ファッションはどのようにして人を幸せにできるか?」という質問に対しては、ステラは「大量消費にとらわれた『巨食症』のような考え方はやめ、消費に対する意識をしっかり持つべき。安く大量に買うことは、その瞬間は安く感じても、後に大きな代償を支払うことかもしれない」と話し、栗野クリエイティブ・ディレクターは「時間をかけて作られたもの、すなわち『アン・ファストファッション』に価値を見出だしている。服を作った人の時間に敬意を示し、代金を支払いたい」と回答した。最後にアランチャが「ファッションだけでなく、全てのものがエシカルであるべき時代。今後も、適切な賃金や労働環境を提供していくことで、労働者だけでなくあらゆる土地の伝統工芸を維持したい」とコメントし、セッションを締めくくった。

 「テゲ」は2014年春夏にスタートし、2015年春夏で3シーズン目を迎える。ブルキナファソの生地を使ったセットアップとベスト、ケニアのマサイ族によるビーズアクセサリー、クラッチバッグなどをそろえる。今後は、リングやブレスレット、マリの伝統的な技法であるゴブラン織りの生地を使ったウエアを制作する予定だ。

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