「ミュウミュウ(MIU MIU)」は8月21日、ロレアルとのライセンス契約下で初のフレグランス“ミューティン(Miutine)”を世界同時発売する。キャンペーンには、英俳優のエマ・コリン(Emma Corrin)を起用した。
新作のオードパルファンは、ブランドが持つ自由で型破りなスピリットを表現する。ラダン・ラリ(Ladan Lari)=ミュウミュウ ビューティ グローバル・ジェネラルマネジャーは、「“ミューティン”は、『ミュウミュウ』の新章を象徴する存在にしたい」と語る。
新作“ミューティン”で世界トップ10入りを目指す
商品開発の出発点は消費者で、とりわけZ世代だったという。調査では、彼らが“自由を謳歌する奔放さと反骨精神”を求めていることが明らかになった。フレグランス名“ミューティン”は、フランス語の“mutine(反乱・反逆)”に由来。ラリ=グローバル・ジェネラルマネジャーは、「今日の『ミュウミュウ』が提案している“いたずらっぽさと反骨心を持ち、男性の視線にとらわれず、自由で解放された女性像”を表す言葉に、“i”を加えてブランド名と響き合うものにした。非常に野望的だと思われるかもしれないが、辞書に新しい言葉として刻みたい」と語る。
ボトルは、レザーグッズでおなじみのマテラッセ風のデザインを採用。栗色のボトルの首には、白黒のブランドロゴのラベルを配した。キャップにはスパンコールを想起させる丸い装飾を施し、外箱は「ミュウミュウ」らしいブルーで彩った。
調香は世界的な香料メーカーIFFのマスターパフューマー、ドミニク・ロピオン(Dominique Ropion)が担当。「野いちご“マラ・デ・ボワ”とガーデニア(クチナシ)の個性的なハーモニーから始まり、バーボンバニラやブラウンシュガーの甘さを加えて遊び心を添えた」と説明する。ベースにはモスやアンバー、パチュリを配合し、ジャスミンやローズがガーデニアを引き立てる。クラシックなシプレ系の構成に“グルマンな茶目っ気”を加えた仕上がりだ。「若々しい精神を持ちながらもエレガント」という「ミュウミュウ」らしさを香りで表現した。
価格は10mLが 36ドル(約5300円)、100mLが 172ドル(約2万5300円)。業界筋によると、初年度の小売売上高は1億5000万ユーロ(約258億円)に達すると見込まれる。ラリ=グローバル・ジェネラルマネジャーは「“ミューティン”を世界トップ10に入るフレグランスへ育てたい」と意気込む。
エマ・コリンが出演するキャンペーンフィルム
2020年から「ミュウミュウ」のアンバサダーを務めるコリンは、「長く『ミュウミュウ』と関わってきて、非常に個人的なつながりを感じる。フレグランスのアンバサダーにも選ばれて光栄」とコメント。ラリ=グローバル・ジェネラルマネジャーは、「エマ・コリンは独立心が強く、自分らしさを貫き、作品選びや自己表現においても芯のある選択をしている。ブランドの今を体現する存在だ」と説明する。
キャンペーンフィルムは、ヘイリー・ベントン・ゲイツ(Hailey Benton Gates)が監督した。コリンが図書館で辞書を開き、“ミューティン”の定義を読み上げるシーンが登場する。「ルールを知りながらも存在しないかのように振る舞う人。遅れて現れることもあるが、その瞬間、必ず人の目を引く。行動は常に予測不能」などと語るナレーションは、ブランドが掲げる“自由奔放さ”を映し出す。撮影はチェコ共和国・プラハで行われ、コリンが出演したホラー映画「ノスフェラトゥ」と同じスタジオで撮影された。
コリンは現在、ネットフリックスの作品「高慢と偏見」でエリザベス・ベネット役に挑む準備を進めている。「19世紀の女性にとって、ファッションやビューティがどのような意味を持っていたのかを学んでいる。当時の女性たちが、どのように個性を表現したのかを知るのは興味深い」と語り、香りについては「香りをかぐと、瞬時にどこかへ連れて行かれるような感覚になる。 “ミューティン”を初めてかいだ時、真夏の花々の芳香に満ちた濃密な午後を思い出させた」と話した。
本文中の円換算レート:1ドル=147円、1ユーロ=172円