ビューティ

米国フレグランス財団、アワード2025を開催 ラルフ・ローレンが殿堂入り

米フレグランス財団(FRAGRANCE FOUNDATION)はこのほど、ニューヨークのリンカーン・センターで「フレグランス・ファンデーション・アワード2025」の授賞式を開催した。フレグランスは今、ビューティ業界で最も注目されるカテゴリーの一つとなっている。同財団のジェリー・ヴィットリア(Jerry Vittoria)会長は授賞式で、「これは、米国のフレグランス市場が驚異的な成長を遂げていることによるものだ」と述べた。リンダ・レヴィ(Linda Levy)代表も、「24年はフレグランスにとって驚くべき年だった。新製品の発売や新ブランドの数が過去最多を記録した。非常に喜ばしいことは、フレグランスに初めて触れる若い世代がフレグランス業界の成長を後押ししていることだ」と続けた。

“ホール・オブ・フェイム(殿堂入り)”には、ファッションデザイナーのラルフ・ローレン(Ralph Lauren)が選出された。授賞式には「ラルフ ローレン」のフレグランスライセンスを持つロレアル(L’OREAL)の面々が出席し、その栄誉は息子であるデビッド・ローレン(David Lauren)が受け取った。「ここで話すのは非常に感動的だ。なぜなら、ここには人生を懸けて素晴らしいフレグランスブランドを築いてきた人々がいるからだ。父が表彰されるのを見るということは、彼が人生で物語を語ることに成功したことを知るということだ。それは決してフレグランスやネクタイ、ドレスに関することではなかった」とコメントした。

ライフタイム・アチーブメント・パフューマー(功労賞)は、香料メーカー大手ジボダン(GIVAUDAN)のマスターパフューマーであるダニエラ・アンドリエール(Daniela Andrier)が受賞した。アンドリエールはそのキャリアの中で、歴史に残る数々の名香を生み出してきた。アンドリエール=マスターパフューマーは、10代の頃に愛用していた香りを嗅いだ時を振り返って、「突然、30歳若返ったような感覚だった。場所、人々、そして服まで、世界が記憶の中に蘇ってきた。この世界は美しく、私たちもその一部だ」と語った。

米ロレアルのラムジー・バーンズ(Ramzy Burns)=ランコム ゼネラル マネージャーは、長年のアンバサダーであるジュリア・ロバーツ(Julia Roberts)を起用した最新のキャンペーンで、メディア・キャンペーン・オブ・ザ・イヤーを受賞した。「(受賞した製品の)“ラヴィエベル(La Vie est Belle)”は、幸せと美しい人生を表している。それは、自分にとって幸せは何か、というより個人的なものだ。我々はこのことが現在のフレグランス業界で起きていることと非常に関係があるということを知っていた」と述べた。

米ロレアルにおける40年間にわたるキャリアの中で要職を歴任し、最近引退したキャロル・ハミルトン(Carol Hamilton)氏は、「この業界の進化を理解するために必死に勉強している。今夜、受賞しなかった大物たちもいたが、新しい人材が世界は変化しているということをフレグランス業界に訴えていた。それが、今日のこの業界の素晴らしいところだ」と述べた。同社のシルビア・ガルフォ(Silvia Galfo)=リュクス事業本部プレジデントは、「若年層の間でコレクション行為が広まっているのは、それがステータスシンボルと見なされているか、知性の象徴だと考えているからだ。フレグランスをコレクションすることは、彼らをより大きなコミュニティーの一員だと感じさせるのだ」と付け加えた。

フレグランス・ファンデーション・アワード2025 受賞一覧

【ライフタイム・アチーブメント・パフューマー(功労賞)】

ダニエラ・アンドリエ(Daniela Andrier)/ジボダン マスター調香師

【ホール・オブ・フェイム(殿堂入り)】

ラルフ・ローレン(Ralph Lauren)

【フレグランス・オブ・ザ・イヤー】

■ウィメンズ・ラグジュアリー
「キリアン パリ(KILIAN PARIS)」“サンキッスド ゴッデス(Sunkissed Goddess)”

■ウィメンズ・プレステージ
「カヤリ(KAYARI)」“バニラ キャンディ ロックシュガー(Vanilla Candy Rock Sugar)”

■メンズ・ラグジュアリー
「トム フォード ビューティ(TOM FORD BEAUTY)」“ボア パシフィーク(Bois Pacifique)”

■メンズ・プレステージ
ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)」“ポロ 67 オー ド トワレ(Polo 67 EDT)”

■ユニバーサル・ラグジュアリー
「バイレード(BYREDO)」“デザート ドーン(Desert Dawn)”

■ユニバーサル・プレステージ
「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」“レプリカ アフタヌーン デライト(Replica Afternoon Delight)”

■ウルトラ・ラグジュアリー
「トム フォード ビューティ(TOM FORD BEAUTY)」“ブラック ラッカー(Black Lacquer)”

■ポピュラー
「バケーション(VACATION)」“アフター サン(After Sun)”

【フレグランス・ホール・オブ・フェイム(殿堂入り)】

「ラバンヌ(RABANNE)」“ワン ミリオン オー ド トワレ(1 Million EAU DE TOILETE)”

【コンシューマー・チョイス(一般投票)】

■プレステージ
「バーバリー(BURBERRY)」“ハー インテンス(Her Intense)”

■ポピュラー
「バス&ボディ ワークス(BATH & BODY WORKS)」“プラチナム(Platinum)

【メディア・キャンペーン・オブ・ザ・イヤー】

「ランコム(LANCOME)」“ラヴィエベル レリクシール(La Vie est Belle L’elixir)”

【キャンドル & ホーム コレクション・オブ・ザ・イヤー】

「ネスト ニューヨーク(NEST NEW YORK)」“サンリット ユズ & ネロリ ウェルネス コレクション(Sunlit Yuzu & Neroli Wellness Collection)”

【パフューム・エクストラオーディネール・オブ・ザ・イヤー】

「バルマン(BALMAIN)」“エベーヌ(Ebene)”

【イノベイティブ・フレグランス・プロダクト・オブ・ザ・イヤー】

「ディーエス&ダーガ(D.S. & DURGA)」“マーダー ミステリー セット(Murder Mystery Set)”

【インディー・フレグランス・オブ・ザ・イヤー】

「ヴェロニク ガバイ(VERONIQUE GABAI)」“デリス デ ボワ(Delices des Bois)”

【パッケージング・オブ・ザ・イヤー】

■ウルトラ・ラグジュアリー/ラグジュアリー
「ディプティック(DIPTYQUE)」“フルールドゥポー ホリデイ エディション(Fleur De Peau Holiday Edition)”

■プレステージ/ポピュラー
「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」“デイジー ワイルド(Daisy Wild)”

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