登山やスノースポーツ、釣りなど、多様なアクティビティーをカバーする大手アウトドアメーカー各社にとっても、トレイルランニングカテゴリーは近年、成長著しい重要分野となっている。トレラン領域での技術開発の知見を、他のアクティビティーやライフスタイル領域に落とし込む動きも盛んだ。注目メーカー4社に、トレラン領域の今を聞いた。(この記事は「WWDJAPAN」2025年6月9日号からの抜粋です)
「サロモン(SALOMON)」
トレラン領域で毎年2ケタ成長
アメアスポーツジャパンが運営する仏「サロモン」は近年、日本でのトレランカテゴリーの売上高が「毎年2ケタ成長を続けている」と、石田道寛ブランドマーケティングマネージャー。「製品イノベーションとコミュニティー作りの2軸が成長要因」だ。今春発売したアスリートやコアランナー向けシューズ“エスラボ ウルトラ グライド”(2万6400円)は、波打つような形状のアウトソールが荷重を分散させ、足の疲労を抑える。「見た目としても分かりやすくイノベーションを届けられている」ことで、ECや直営店では一部サイズを除き、完売した。コミュニティー作りは、2023年10月に開始したメンバーシッププログラム「Sプラス」を基盤に行っている。店舗ごとのグループランやトークイベント、高尾でのトレラン練習会などをアプリで告知。「トレランイベントは特に人気が高く、抽選になることも多い。1人では始めづらいスポーツのため、きっかけやコミュニティーを提供することが重要」だ。
「Sプラス」では、他にもさまざまな仕掛けを行っている。例えば、「Sプラス」経由で申し込めば、「サロモン」がサポートする国内4レースや、連携しているレースの参加料が割り引かれる。また、3月に包括連携協定を結んだ山梨・富士吉田では、富士山麓の中ノ茶屋をランニングステーションにリノベーションし、「Sプラス」会員向けにシューズレンタルやシャワー利用などのサービスを提供。製品値引き以外の価値を提供し、ブランドロイヤリティー向上につなげている。
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